この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
シャイニーストッキング
第5章 黒いストッキングの女4 部長大原浩一
33 腐った深い根
面談したのは人事部係長補佐の上野涼子といった。
彼女の顔は覚えていた、昨日の荒れた人事部の会議で僅かに昂ぶる目をしていた数人の内の一人であったから、それはこちらでもちゃんとチェックはしていたのだ。
この人事部の部長は例の常務派の一人であり、私も山崎専務からのデータにより把握はしていた。
そしてこの係長補佐役の彼女が人事部長からの裏処理をやらされていたという、そして今回の吸収合併の件も早い段階でその人事部長からは五分五分の合併だと聞かされていたそうである。
「でも私は人事部長とはそういう関係ではないですから…」
そう彼女はキッパリと言い放った。
以前に退職した係長補佐役の女性からの引き継ぎであり、この係が代々この仕事を引き受けているそうだ。
だから最初は裏処理だとは全く思ってはいなかったそうである。
「ただある時、部長から回ってくる名前が皆、遠くの支社に異動している事に偶然気付いて…」
要はアンチ常務派の人物を左遷異動させる処理をやらされていたという事なのだ。
「そうですか、それは酷いなぁ…」
この彼女の経歴を見る…
30歳独身
中部地方の国立大学卒業
就職後に保険関連の様々な資格取得
…と、なっていた。
本来ならこの様々な資格取得者ならば人事部ではなく、営業系か人材育成関係の部署のはずなのだ。
また、ここにも越前屋朋美同様に虐げられてきた人材が埋もれていた。
「私の社内の情報では…」
彼女独自の情報網では五分五分合併ではなく、どうやら完全吸収合併だと把握していたので、異動リストを上げろと人事部長からの直命を受けた時に…
やはり虐げられているこの越前屋朋美を逃がす意味でリストに上げたのだと述べてきたのだ。
この会社の腐った根は相当深そうだ…
私はまたこの上野涼子の気概も喜んで受け入れた。
そしてこの先は新規事業計画の人材育成関係に異動させると本人に伝え、更に探せばまだまだ沢山優秀な人材が埋もれているはずなのだ…
と、その件も二人にリストアップする旨を伝えた。
私は午後、コールセンター部関係との会議に向かう。
ここのコールセンター部はほぼ100%に近くクレーム処理専門だそうだ。
ただ今後の新規事業計画の主力は勿論このコールセンター中心になる予定なのである…
面談したのは人事部係長補佐の上野涼子といった。
彼女の顔は覚えていた、昨日の荒れた人事部の会議で僅かに昂ぶる目をしていた数人の内の一人であったから、それはこちらでもちゃんとチェックはしていたのだ。
この人事部の部長は例の常務派の一人であり、私も山崎専務からのデータにより把握はしていた。
そしてこの係長補佐役の彼女が人事部長からの裏処理をやらされていたという、そして今回の吸収合併の件も早い段階でその人事部長からは五分五分の合併だと聞かされていたそうである。
「でも私は人事部長とはそういう関係ではないですから…」
そう彼女はキッパリと言い放った。
以前に退職した係長補佐役の女性からの引き継ぎであり、この係が代々この仕事を引き受けているそうだ。
だから最初は裏処理だとは全く思ってはいなかったそうである。
「ただある時、部長から回ってくる名前が皆、遠くの支社に異動している事に偶然気付いて…」
要はアンチ常務派の人物を左遷異動させる処理をやらされていたという事なのだ。
「そうですか、それは酷いなぁ…」
この彼女の経歴を見る…
30歳独身
中部地方の国立大学卒業
就職後に保険関連の様々な資格取得
…と、なっていた。
本来ならこの様々な資格取得者ならば人事部ではなく、営業系か人材育成関係の部署のはずなのだ。
また、ここにも越前屋朋美同様に虐げられてきた人材が埋もれていた。
「私の社内の情報では…」
彼女独自の情報網では五分五分合併ではなく、どうやら完全吸収合併だと把握していたので、異動リストを上げろと人事部長からの直命を受けた時に…
やはり虐げられているこの越前屋朋美を逃がす意味でリストに上げたのだと述べてきたのだ。
この会社の腐った根は相当深そうだ…
私はまたこの上野涼子の気概も喜んで受け入れた。
そしてこの先は新規事業計画の人材育成関係に異動させると本人に伝え、更に探せばまだまだ沢山優秀な人材が埋もれているはずなのだ…
と、その件も二人にリストアップする旨を伝えた。
私は午後、コールセンター部関係との会議に向かう。
ここのコールセンター部はほぼ100%に近くクレーム処理専門だそうだ。
ただ今後の新規事業計画の主力は勿論このコールセンター中心になる予定なのである…