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シャイニーストッキング
第20章 もつれるストッキング4 律子とゆかり

55 一抹の不安
「あ、うん、お、おはよう…」
対するわたしは緊張気味に顔と声を強張らせて挨拶を返す。
「さあ、朝ごはん食べましょう、わたしぃ、お腹ペコペコですぅ」
そんなわたしの緊張気味な心の揺らぎ等には全く気付いてはいない、いや、想像をする筈もない越前屋さんが、そう明るく言ってきた。
本当に彼女の存在感がありがたい…
ホント、いつもこの明るさに心が救われる。
「あら、凄いわ…」
そんな越前屋さんの明るさに少し心を軽くできたわたしは、テーブルの上に用意された朝ごはんを見て思わず呟いてしまう。
そう、テーブルの上には…
スクランブルエッグ、サラダ、トースト、コーンスープそしてコーヒーというちょっとしたホテルのブレックファスト的な朝ごはんが用意されていた。
「え、いつの間に?」
確か冷蔵庫にはこんな食材なんてなかったはず、と、驚いて呟くと…
「はい、昨日、おつまみを買いに行ったついでに買ってきておいたんです、だってゆかりさんの冷蔵庫の中、本当に空っぽなんですもん」
と、敦子は明るく言ってくる。
「あ、そ、そうなんだ」
わたしはその冷蔵庫の件と、本当に昨夜の事なんて微塵も表情や態度に表さない普段通りのいつもの敦子、いや、部下でもある伊藤敦子のその様子に…
心からホッとして、一人で引きずっていた昨夜からの敦子への想いと心の中のシコリみたいな不惑さが少し軽くなった気がしてきていた。
「はい…
あ、え、と…コーヒーはブラックでしたよね?」
だけど…
そう訊いてきた言葉の間と声音とわたしを見る目が、その一瞬だけ揺らいだ様に感じたのだ。
その敦子の垣間見えたそんな一瞬の揺らぎに、なぜかわたしはホッとしてしまう…
だって、それは…
昨夜の出来事は間違いなく現実にあったという事の現れであるから。
夢なんかではないという証明であるから…
なぜなら…
あまりにも敦子の冷静さに、昨夜の出来事は夢だったのか?…
と、一瞬、不安になってしまっていたから。
そんな一抹の不安に陥ってしまいそうだったから…
「あ、うん、お、おはよう…」
対するわたしは緊張気味に顔と声を強張らせて挨拶を返す。
「さあ、朝ごはん食べましょう、わたしぃ、お腹ペコペコですぅ」
そんなわたしの緊張気味な心の揺らぎ等には全く気付いてはいない、いや、想像をする筈もない越前屋さんが、そう明るく言ってきた。
本当に彼女の存在感がありがたい…
ホント、いつもこの明るさに心が救われる。
「あら、凄いわ…」
そんな越前屋さんの明るさに少し心を軽くできたわたしは、テーブルの上に用意された朝ごはんを見て思わず呟いてしまう。
そう、テーブルの上には…
スクランブルエッグ、サラダ、トースト、コーンスープそしてコーヒーというちょっとしたホテルのブレックファスト的な朝ごはんが用意されていた。
「え、いつの間に?」
確か冷蔵庫にはこんな食材なんてなかったはず、と、驚いて呟くと…
「はい、昨日、おつまみを買いに行ったついでに買ってきておいたんです、だってゆかりさんの冷蔵庫の中、本当に空っぽなんですもん」
と、敦子は明るく言ってくる。
「あ、そ、そうなんだ」
わたしはその冷蔵庫の件と、本当に昨夜の事なんて微塵も表情や態度に表さない普段通りのいつもの敦子、いや、部下でもある伊藤敦子のその様子に…
心からホッとして、一人で引きずっていた昨夜からの敦子への想いと心の中のシコリみたいな不惑さが少し軽くなった気がしてきていた。
「はい…
あ、え、と…コーヒーはブラックでしたよね?」
だけど…
そう訊いてきた言葉の間と声音とわたしを見る目が、その一瞬だけ揺らいだ様に感じたのだ。
その敦子の垣間見えたそんな一瞬の揺らぎに、なぜかわたしはホッとしてしまう…
だって、それは…
昨夜の出来事は間違いなく現実にあったという事の現れであるから。
夢なんかではないという証明であるから…
なぜなら…
あまりにも敦子の冷静さに、昨夜の出来事は夢だったのか?…
と、一瞬、不安になってしまっていたから。
そんな一抹の不安に陥ってしまいそうだったから…

