この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
シャイニーストッキング
第20章 もつれるストッキング4     律子とゆかり
 56 無くてはならない存在感…

「はい…
 あ、え、と…コーヒーはブラックでしたよね?」

「あ、うん…あ、ありがとう」
 その微かに感じられた敦子の揺らぎの様子に、やっぱり昨夜は夢なんかじゃなかったんだ、と、リアルに実感し…
 そしてまた、再びわたしの女の奥深くが…
 ズキズキ…
 ウズウズ…
 と、昨夜の快感の余韻を秘かに蘇えらせてくる。

「はい…コーヒーどうぞ」
 コーヒーをテーブルに置いてくれた際、カチャカチャ…
 と、カップとソーサーが微かに震え、その陶器の震える音から敦子の秘かな緊張感が心に伝わってきた。

 だかそんな微かな陶器の音により、敦子の精一杯の虚勢という虚栄の想いが伝わり、逆に…
『敦子も必死に昼と夜の心の切り替えをしている、いや、してくれているんだろうなぁ』
 そんな彼女なりの想いが心に沁みてくる。

 そうよ、揺らぎ揺れているのはわたしだけじゃないんだわ、と実感し…
「あ、ありがとう」
 わたしもまだ緊張気味にそう返し、コーヒーを口にした。

「うわぁ、あっちん、このスクランブルエッグ絶品だわぁ、ねぇ、ゆかり室長ぉっ」
 すると、こんな秘かなわたしと敦子の緊張感をスッと軽く吹き飛ばしてくれるように、越前屋さんが明るく言ってきたのだ。

「あ、え、う、うん、ほ、本当に美味しいわ、まるでホテルのスクランブルエッグみたいだよね」
 と、慌ててひと口食べて、そう応える。

「えぇ、そうですかぁ、ゆかりさん褒め過ぎですよぉ」
「ううん、そんな事無いわよ、本当に美味しくて絶品よねぇ」
 わたしはそう越前屋さんに返す…
「うん、あっちん、本当よ、ホントにゆかり室長の言う通りにホテルの朝ごはんみたいぃ…」
 と、越前屋さんが明るく言ってきた。

「うん、そう、本当よ、ホントに美味しいわぁ」
 そしてわたしもそんな越前屋さんに合わせて、精一杯に明るく、そして軽く続けて返す。

「あぁそんなぁ、嬉しいわぁ」

 この越前屋さんの明るさに、わたしと敦子の秘かな緊張感は一瞬にして吹き飛び、緩み、軽くなったのである。

 本当にわたしは、いつもいつもこの越前屋さんの明るさに救われている気がするのだ…

 この越前屋さんという存在感も、わたしにとっては…
 蒼井美冴さんに続いての無くてはならない絶対的な存在といえる。

 あ…

 この伊藤敦子も……だ。


/2702ページ
エモアイコン:泣けたエモアイコン:キュンとしたエモアイコン:エロかったエモアイコン:驚いたエモアイコン:素敵!エモアイコン:面白いエモアイコン:共感したエモアイコン:なごんだエモアイコン:怖かった
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ