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シャイニーストッキング
第20章 もつれるストッキング4 律子とゆかり

64 間違いのない事実…
「あ、は、はい…」
その意味は、いや、彼女の言っている内容は分かるし、その二つの資格を持つ人材は喉から手が出る程に欲しいのだが…
そもそもがいくら緊急とはいえ、常務枠の人事異動辞令なんだからわたしの了承なんていらない、いや、必要ない筈なのである。
つまりは上からの下知的な命令辞令だけで済む筈だと思われるのだが?…
「え、と、今朝のそのいきさつは少し複雑となりまして…
あ、いや、だからその経緯は直接、大原常務から聞いた方がよろしいかとわたしが判断しまして…」
「あ、はぁ…」
わたしはまだ、イマイチ、その彼女の電話の内容を理解できないでいたのだが…
つまりは、今日の午後に直接わたしと会ってその緊急の異動の経緯を話したいという事らしいのだ。
「ただ地方支社からの緊急な本社の
『新プロジェクト』への異動なので、大原常務からぜひとも理解と了承だけ先に欲しいとの事で…」
「あ、は、はい、とりあえずは分かりました」
いちおうそう返事をする。
「とりあえず本日の午後、え、ええと多分午後2時以後には本社へ戻る予定ですので、その時間当たりに本社まで御足労お願いできますか?」
「はい、分かりました…
どちらにしても、今日も午後から本社のシステム情報部へ行く予定を入れてありますので伺います」
わたしはそう告げる。
「いちおうこちらから佐々木室長様にもう一度お電話します…
では失礼します…」
そして電話は切れた。
電話が切れてもまだ、わたしの心はザワザワと騒めいていた…
どちらにせよ常務枠の異動辞令なのだから、わたしに異議は問えない案件なのだが…
『事前に理解と了承だけでもして欲しい』
と、言ってきた。
それほどに緊急で複雑な経緯なのだろうか?…
そもそもが越前屋さんによればその新潟出張は、前常務により不当に飛ばされてしまった資産運用のスペシャリストを呼び戻す為の出張と云っていた筈だと思うのだが。
だけどとりあえず、間違いのない事実は…
仕事とはいえ、今日の午後に彼、大原常務に会えるという事。
そしてもうひとつ…
おそらくは、わたしにとっての、いや、違う、本社人事でも謎の存在である松下さんという秘書さんとも、初めてのご対面となるであろうという事である…
「あ、は、はい…」
その意味は、いや、彼女の言っている内容は分かるし、その二つの資格を持つ人材は喉から手が出る程に欲しいのだが…
そもそもがいくら緊急とはいえ、常務枠の人事異動辞令なんだからわたしの了承なんていらない、いや、必要ない筈なのである。
つまりは上からの下知的な命令辞令だけで済む筈だと思われるのだが?…
「え、と、今朝のそのいきさつは少し複雑となりまして…
あ、いや、だからその経緯は直接、大原常務から聞いた方がよろしいかとわたしが判断しまして…」
「あ、はぁ…」
わたしはまだ、イマイチ、その彼女の電話の内容を理解できないでいたのだが…
つまりは、今日の午後に直接わたしと会ってその緊急の異動の経緯を話したいという事らしいのだ。
「ただ地方支社からの緊急な本社の
『新プロジェクト』への異動なので、大原常務からぜひとも理解と了承だけ先に欲しいとの事で…」
「あ、は、はい、とりあえずは分かりました」
いちおうそう返事をする。
「とりあえず本日の午後、え、ええと多分午後2時以後には本社へ戻る予定ですので、その時間当たりに本社まで御足労お願いできますか?」
「はい、分かりました…
どちらにしても、今日も午後から本社のシステム情報部へ行く予定を入れてありますので伺います」
わたしはそう告げる。
「いちおうこちらから佐々木室長様にもう一度お電話します…
では失礼します…」
そして電話は切れた。
電話が切れてもまだ、わたしの心はザワザワと騒めいていた…
どちらにせよ常務枠の異動辞令なのだから、わたしに異議は問えない案件なのだが…
『事前に理解と了承だけでもして欲しい』
と、言ってきた。
それほどに緊急で複雑な経緯なのだろうか?…
そもそもが越前屋さんによればその新潟出張は、前常務により不当に飛ばされてしまった資産運用のスペシャリストを呼び戻す為の出張と云っていた筈だと思うのだが。
だけどとりあえず、間違いのない事実は…
仕事とはいえ、今日の午後に彼、大原常務に会えるという事。
そしてもうひとつ…
おそらくは、わたしにとっての、いや、違う、本社人事でも謎の存在である松下さんという秘書さんとも、初めてのご対面となるであろうという事である…

