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シャイニーストッキング
第5章 黒いストッキングの女4 部長大原浩一
38 アヒルキャラ
幻想的にライトアップされた東京タワーを眺めながら微かに酒に酔い痴れ、夢の中に漂っているようなこの雰囲気に浸っているのが心地良かった。
「ドライマティーニを…」
律子は2杯目を頼む。
「いける方なのか」
彼女は軽く微笑み、首を振る。
「だいたい3杯位です、お店ではほとんどウーロン茶ですし」
「だったら…」
だったら大丈夫なのか、と目で語る、マティーニはジンベースの強いカクテルなのだ。
「まだ大丈夫ですよ、それに酔ってしまったらあなたがいるし…」
私はドキッとしてしまう、その囁きと同時に瞳が濡れて妖しく輝いてきたのだ。
そして、あなた、と言ってきた。
なぜかその、あなた、の響きが心地良い。
「お待たせしました」
「ありがとう…」
すると彼女は金属製のピンに刺さった飾りのオリーブをカクテルグラスからつまみ上げ、それを唇に含んだのだ。
「オリーブ好きなんです」
そのオリーブを含んだ唇に思わず見とれてしまう。
やばい、なんかソワソワしてきた…
彼女の妖しく濡れてきた瞳、オリーブを含んだ艶やかな唇、そしてカクテルグラスを持つ細くしなやかな指、ネイルもラメが微妙に光り綺麗である。
指輪はカルティエの3連リングにカルティエのレディスの腕時計、そしてプラチナのブレスレットがまた彼女の細い手首に似合っていた。
「あれ…」
私はその彼女のブレスレットを注視する。
「あっ、これね」
彼女はそんな私の視線に気付き、手首を上げてブレスレットを見せてきたのだ。
「あっ…」
そう、そのプラチナのブレスレットにワンポイントで小さな丸型の飾りが付いているのだが、そこには例のアヒルキャラが笑っていたのである。
「そうなんです、わたしダック大好きなんです…」
彼女は少し照れた微笑みを浮かべる。
お店の休みの木曜日のほとんどは、ミュージカルや演劇を観劇するか、あの夢の国に遊びに行くかのどちらかなのだそうだ。
「わたし、年間パスポート持ってて…」
年間30回以上通っていると言った。
「ほぉ、じゃあ、あのネクタイも…」
「はい、わたしの趣味です」
「ふうん…」
「なんか恥ずかしいわ」
「いやそんなことないさ、かわいいよ」
「えっ、かわいいなんて言われたの何年ぶりだろう…」
幻想的にライトアップされた東京タワーを眺めながら微かに酒に酔い痴れ、夢の中に漂っているようなこの雰囲気に浸っているのが心地良かった。
「ドライマティーニを…」
律子は2杯目を頼む。
「いける方なのか」
彼女は軽く微笑み、首を振る。
「だいたい3杯位です、お店ではほとんどウーロン茶ですし」
「だったら…」
だったら大丈夫なのか、と目で語る、マティーニはジンベースの強いカクテルなのだ。
「まだ大丈夫ですよ、それに酔ってしまったらあなたがいるし…」
私はドキッとしてしまう、その囁きと同時に瞳が濡れて妖しく輝いてきたのだ。
そして、あなた、と言ってきた。
なぜかその、あなた、の響きが心地良い。
「お待たせしました」
「ありがとう…」
すると彼女は金属製のピンに刺さった飾りのオリーブをカクテルグラスからつまみ上げ、それを唇に含んだのだ。
「オリーブ好きなんです」
そのオリーブを含んだ唇に思わず見とれてしまう。
やばい、なんかソワソワしてきた…
彼女の妖しく濡れてきた瞳、オリーブを含んだ艶やかな唇、そしてカクテルグラスを持つ細くしなやかな指、ネイルもラメが微妙に光り綺麗である。
指輪はカルティエの3連リングにカルティエのレディスの腕時計、そしてプラチナのブレスレットがまた彼女の細い手首に似合っていた。
「あれ…」
私はその彼女のブレスレットを注視する。
「あっ、これね」
彼女はそんな私の視線に気付き、手首を上げてブレスレットを見せてきたのだ。
「あっ…」
そう、そのプラチナのブレスレットにワンポイントで小さな丸型の飾りが付いているのだが、そこには例のアヒルキャラが笑っていたのである。
「そうなんです、わたしダック大好きなんです…」
彼女は少し照れた微笑みを浮かべる。
お店の休みの木曜日のほとんどは、ミュージカルや演劇を観劇するか、あの夢の国に遊びに行くかのどちらかなのだそうだ。
「わたし、年間パスポート持ってて…」
年間30回以上通っていると言った。
「ほぉ、じゃあ、あのネクタイも…」
「はい、わたしの趣味です」
「ふうん…」
「なんか恥ずかしいわ」
「いやそんなことないさ、かわいいよ」
「えっ、かわいいなんて言われたの何年ぶりだろう…」