この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
シャイニーストッキング
第5章 黒いストッキングの女4     部長大原浩一
 39 絡まる指先

 「じゃあ、あのネクタイも…」
 「はい、わたしの趣味です」
 「ふうん…」
 「なんか恥ずかしいわ」
 「いや、そんなことないさ、かわいいよ」
 「えっ、いやだ、かわいいなんて言われたの何年ぶりかしら…」
 カクテルの酔いのせいなのか、それとも照れのせいなのか、心なしか彼女の顔が紅くなったように見えたのだ。
 そんな彼女の様子が私には、いつも見ている銀座の店や、一昨日の夜とは全く違って見えていたのだ、そして新たな魅力を感じていた。

 なんだぁ、やばい、少しときめいてきたぞ…
 それにそんな彼女からは、昨夜、専務から聞いたあの過去の翳り等は全く感じられなかったのだ。
 私はこの新たな魅力が溢れてきている彼女の表情に、魅了されつつあったのである。

 「大原さんの笑い顔ってなんとなく…」
 なんとなく、なんだ…

 「ダックに似てるの」
 「ま、まさか…」
 「そう、その目尻に皺が寄るその笑い顔がなんとなく似ているの…」
 「いやいや…」
 いやいやそれはないだろうと笑う。

 「だから好きなんです」

 やばっ…

 ドキッと、ときめいてしまった。

 「そ、そんなこと…」
 「本当です…」
 彼女はその濡れた瞳で私を見つめてくるのだ。

 ドキ、ドキ、ドキ…
 年甲斐もなくときめきを覚えてしまう。

 「だから私だったのか…」
 「そう、あなた……なんです」

 あなた…
 そう囁く彼女の艶やかな唇から目が離せなくなってしまった。

 まずい、抱きたくなってきた…
 
 するとカウンターの下で、彼女の指先がスッと私の膝に触れてきたのだ。

 だ、ダメだ、ここは冷静に…
 しかしカラダはそんな心と反比例の動きをした。
 なんと私は無条件反射のように、その彼女の指先に自らの指先を絡めてしまったのだ。

 「ふうぅ…」
 そして彼女は妖しく濡れた瞳で私を誘うかのように見つめ、甘い吐息を漏らすのだ。

 ドキ、ドキ、ドキ、ドキ…
 胸の高鳴りだけしか聞こえなくなってきていた。

 ああ、抱きたい、一昨日の情景が脳裏に思い浮かんできた…
 絡まる指先に力がこもる。

 我慢が…






 ブー、ブー、ブー、ブー

 その時、カウンターの上に置いてある携帯電話のバイブレーションが着信の震えを起こし、私を夢の中から現実へと呼び戻してきたのだ…



/2537ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ