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シャイニーストッキング
第20章 もつれるストッキング4     律子とゆかり
 109 視線(1)

 その二人の美しさと魅惑さから生まれた『嫉妬心』という感情により『対抗心』という想いにスイッチが押され…
「あ、はい、新潟出張の件についてはわたしからご説明しますね」
 と、揺らぐ大原常務を制し、自ら新潟出張の説明を始めていく。

 揺らぐ彼にはとても任せてはおけず、いや違う…
 この対抗心という衝動がガマンできなかったのである。

 そうそれは…
 佐々木室長と蒼井美冴の二人の顔色を彼が伺うかの様な揺らいだ横顔と目の色をとてもではないが黙って見ていられないという想いの衝動。
 それにどうせ結局は、途中からはわたしに説明を振ってくる筈だから。

 そして何より対抗心という苛立ちを感じた相手の佐々木室長からの…
『早く新潟出張の説明をしろ…』
 という彼に対するオンナとしての視線を感じたからだ。

「この新潟出張の元々の要因はわたし達、あ、大原常務が常務就任の際に掲げた『社内再生計画』に基づく考えからでした…」
 そうわたしは口火を切り、敢えて『わたし達』という単語を失言風に装って使い、そして、心に凛とした力を、いや、虚栄といえるかもしれない想いを精一杯目力に込めて…
 彼女、佐々木ゆかり室長の目をしっかりと見つめ、話し始めたのだ。

「この計画はもちろん第一優先企画でありこの吸収合併した生保会社のこれからの命運を掛けた『新規プロジェクト』の陰に隠れてしまいますが、並行して推し進めなくてはならない計画の一つであり、そしてその計画の第一歩として重要な人材確保の意味での新潟出張でもありました」
 
 わたしはこの目の前の佐々木室長の顔を、いや、目を凝視し、ううん、視線をしっかりと合わせ、そしてまずは上からの…
 つまりは大原常務の部下である彼女に対してという意味を含め、そして秘書として、いや、常に常務としての彼を陰から支え、一心同体であるのだという想いを伝える意味をも込めて、そうはっきりと言い切った。

 そして揺れる心を必死に押さえ、抑えて、しっかりと彼女に対しての視線は逸らさずに…
 絶対に逸らすわけにはいかないから。

 なぜならこの視線を合わすということは…
 それはつまりは、今日、この佐々木ゆかりというオンナとの公私を含めた、いや、公私を超えた初めての対峙の場面での、わたしから彼女に対して、彼を奪い獲るという…

 宣戦布告だから…

 
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