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シャイニーストッキング
第5章 黒いストッキングの女4 部長大原浩一
40 シャネルの香り
携帯電話の着信のバイブの響きに、はっ、と我に返ったのだ。
ブー、ブー、ブー…
着信画面には
佐々木ゆかり課長
と、表記されていた。
この絶妙のタイミングで電話を掛けてくるゆかりはまるで私に盗聴器を付けているかのようである、そして律子はGPSと…
そう想いながら携帯電話を手にする。
すると律子はスッと立ち上がり、トイレに向かったのだ、それは着信の相手が誰なのかわかった彼女らしい潔さであった。
「もしもし」
「あ、ごめん、寝て……ないか、また銀座ですかぁ…」
「あ、うん」
「ま、そちらはそちらでお付き合い大変そうですね」
胸が痛む。
「代役、今終わりましたぁ」
「お疲れさま」
「うん、でも損保系を代役したんだけど暇だったの、よかったわ」
「そうか、でも疲れたろう」
「そうね慣れないからね」
当日3人の病欠が出て急遽ゆかりが代役をしたのだが、オペレーター派遣会社のチーフが慌てて代役を探してきて、今、ようやく交代したのだ、と話してきたのだ。
「まあ、とりあえず何とか繋げたから」
「そうか…」
心情的に何も言えなかった。
「明日朝イチで営業課と会議あるんで、私はとりあえず帰って寝ますね」
「ああ本当にお疲れさま」
「ありがとうございます、部長もお疲れなんですから…」
「うん…」
「お疲れなんだから、もしシャネルのお姉さんから口説れても我慢して早めに帰って下さいね…」
ドキッ…
「な、何を」
「うふ、冗談ですよ、おやすみなさい」
ドキッとしてしまった、本当に盗聴器付けてるんじゃないのか…
思わず周りを見渡してしまう。
「うふ、女課長さんて面白い方なんですね…」
するといつの間にかに律子は席に戻っており、そう言ってきた。
「あ、うん、ま、そうなんだよ」
私は慌てて取り繕うように煙草を取り出し火を点ける。
「わたしがシャネル付けてるの知ってるんだ…」
すると律子がそう呟いた。
「え…」
ゆかりの声が聞こえていたようだ。
すると再び律子は私を見つめてくる、だがもうその目は濡れてはいない。
しかし今度は小悪魔的な笑みを浮かべていた。
「そう、クリーニング、明日には仕上がってきますから近いうちに………ぜひ」
そう囁いてきたのだ…
携帯電話の着信のバイブの響きに、はっ、と我に返ったのだ。
ブー、ブー、ブー…
着信画面には
佐々木ゆかり課長
と、表記されていた。
この絶妙のタイミングで電話を掛けてくるゆかりはまるで私に盗聴器を付けているかのようである、そして律子はGPSと…
そう想いながら携帯電話を手にする。
すると律子はスッと立ち上がり、トイレに向かったのだ、それは着信の相手が誰なのかわかった彼女らしい潔さであった。
「もしもし」
「あ、ごめん、寝て……ないか、また銀座ですかぁ…」
「あ、うん」
「ま、そちらはそちらでお付き合い大変そうですね」
胸が痛む。
「代役、今終わりましたぁ」
「お疲れさま」
「うん、でも損保系を代役したんだけど暇だったの、よかったわ」
「そうか、でも疲れたろう」
「そうね慣れないからね」
当日3人の病欠が出て急遽ゆかりが代役をしたのだが、オペレーター派遣会社のチーフが慌てて代役を探してきて、今、ようやく交代したのだ、と話してきたのだ。
「まあ、とりあえず何とか繋げたから」
「そうか…」
心情的に何も言えなかった。
「明日朝イチで営業課と会議あるんで、私はとりあえず帰って寝ますね」
「ああ本当にお疲れさま」
「ありがとうございます、部長もお疲れなんですから…」
「うん…」
「お疲れなんだから、もしシャネルのお姉さんから口説れても我慢して早めに帰って下さいね…」
ドキッ…
「な、何を」
「うふ、冗談ですよ、おやすみなさい」
ドキッとしてしまった、本当に盗聴器付けてるんじゃないのか…
思わず周りを見渡してしまう。
「うふ、女課長さんて面白い方なんですね…」
するといつの間にかに律子は席に戻っており、そう言ってきた。
「あ、うん、ま、そうなんだよ」
私は慌てて取り繕うように煙草を取り出し火を点ける。
「わたしがシャネル付けてるの知ってるんだ…」
すると律子がそう呟いた。
「え…」
ゆかりの声が聞こえていたようだ。
すると再び律子は私を見つめてくる、だがもうその目は濡れてはいない。
しかし今度は小悪魔的な笑みを浮かべていた。
「そう、クリーニング、明日には仕上がってきますから近いうちに………ぜひ」
そう囁いてきたのだ…