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シャイニーストッキング
第20章 もつれるストッキング4     律子とゆかり
 116 視線(8)

 だが不意に視線を…
 そう、彼女の隣の蒼井美冴からの視線を感じたのだ。

 え?…
 そしてわたしはその視線に釣られ、一瞬、彼女を見る。

 あっ…
 その蒼井美冴の視線を一瞬チラ見してドキンとしてしまう。

 その彼女の視線、目は…
 まるで今のわたしのこの想いの全てを見透かした目。

 それは…
 このわたしの心を読み取り、その想いを見下したかの様な目。

 そうわたしの佐々木ゆかりに対する想い…
 つまりは対抗心であり、嫉妬心という心情を笑い、バカにし、下卑した色を映した目。

 そして大原浩一というオトコに対するわたしの思い入れ、恋心、愛情の想いを完全に笑っている目。

 その目が、そんな彼女の心情の全ての色をわたしに一瞬にして伝えてきた…
 あ、いや、わたしにはそう見え、感じてしまったのである。

 え、な、なに?…
 ど、どういう事なの?…

 わたしはこの蒼井美冴のその目、そんな視線に一瞬にしてすっかり動揺してしまう。
 
「ええとぉ、そうなるとぉ、その青山さんと竹下さんのお二人はいつ頃に異動してくるんですかぁ?」
 そう越前屋さんが訊いてきたのだが…

「え、あ、は、はい?」
 すっかり動揺してしまったわたしは、咄嗟に答えられなく、口ごもってしまった。

 すると…
「あ、うん、青山くんの希望と、その、新潟支社長へのペナルティの意味合いをも含めて、早急に…
 できれば来週早々には強行異動させようと考えてる」
 と、そんなわたしの動揺を察したのか、彼、大原常務がそうわたしに代わって答えてくれた。

 いや、どうやら彼は、越前屋さんにだけは比較的冷静に対応できるようであった…

「うわぁ、来週早々ですかぁ?」

「あ、うん、そう…
 とりあえずはもう既に本社側の山崎専務とこちらの林田社長には通知、了承は承諾済みだから…なぁ?」
 と、彼はわたしに視線を合わせて、そうフォローしてくれる。

「あ、は、はい…
 そ、そうです、そうでした、もう今日の午前中には根回しは完了しましたので…」
 と、少し落ち着いたわたしはそう答えた。

 大原常務…
 佐々木室長…
 わたし…
 結局、この三人の動揺の揺らぎが激しく揺れ、上下する。

 どうやらわたし達三人は…
 そんな微妙でギリギリな駆け引きの糸の上を歩いているみたいであった。


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