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シャイニーストッキング
第5章 黒いストッキングの女4 部長大原浩一
42 8月1日金曜日午前7時
ブー、ブー、ブー、ブー…
枕元の携帯のバイブが着信の震えをする。
今朝で4日連チャンの朝の着信であった。
「おはようございます、昨夜はごちそうさまでした」
電話は越前屋朋美からである。
「ああ、おはよう…」
「ちょっと小耳に挟んだものですから、一応伝えといた方が良いかなと思いまして…」
彼女によると、ここ連日の各部署との会議は、今回の吸収合併による経営統合によるリストラ対象者を絞る為の会議だ、と、社内で噂が流れ始まってきているという事を話してきたのだ。
「大原本部長がわたしを助手にして、会議中にリストラ対象者をリストアップして、書き込みをしているのだと……」
既に会議を終えた部署からこんな噂がまことしやかに流れてきているのだと云ってきた。
「ふむ、なる程なぁ…」
確かにそう思われても仕方がなかったのだ、私は次期執行役員として会議に参加はしているのだが、ほとんど話さずに社員の顔を見回しながらメモを書き込みしているカタチをとっていたのだ。
だからそう思われることは無理もなかったのである。
「ま、逆にそんな噂が流れてかえって好都合かなぁ…」
「えっ、好都合なんですかぁ」
「うむ、そうだよ…」
会議の冒頭に敢えて、わざわざ今回の吸収合併ではリストラはしないと伝えているのに、そんな戦々恐々としているような輩は、自分でダメ出しをして私に伝えてくれているようなモノなのだからかえって分かり易くていいじゃないか…
と、私は言ったのだ。
「ああ、なるほど…」
「私はリストラではなく……」
正反対のヤル気のある者、このピンチを逆にチャンスと捉えるような気概の持ち主を探しているのだから、そんな噂に惑わされているような輩は鼻から相手にしないで済むから楽ではないか、と、彼女に伝えた。
「すっごくよくわかりましたぁ」
「だろ、だからそんなことは気にしなくていいんだよ」
彼女はこの二日間ずっと秘書代わりとして私と会議に参加しているから、このことについてはすぐに理解できたのだ。
「朝イチからすいません…」
そして私は午前9時に来社する旨を彼女に伝え、電話を切った。
私はこの電話により、昨夜の不惑な想いの切り替えができ、そして仕事へのスイッチが入った。
今日も暑く長い1日が始まりそうだ…
ブー、ブー、ブー、ブー…
枕元の携帯のバイブが着信の震えをする。
今朝で4日連チャンの朝の着信であった。
「おはようございます、昨夜はごちそうさまでした」
電話は越前屋朋美からである。
「ああ、おはよう…」
「ちょっと小耳に挟んだものですから、一応伝えといた方が良いかなと思いまして…」
彼女によると、ここ連日の各部署との会議は、今回の吸収合併による経営統合によるリストラ対象者を絞る為の会議だ、と、社内で噂が流れ始まってきているという事を話してきたのだ。
「大原本部長がわたしを助手にして、会議中にリストラ対象者をリストアップして、書き込みをしているのだと……」
既に会議を終えた部署からこんな噂がまことしやかに流れてきているのだと云ってきた。
「ふむ、なる程なぁ…」
確かにそう思われても仕方がなかったのだ、私は次期執行役員として会議に参加はしているのだが、ほとんど話さずに社員の顔を見回しながらメモを書き込みしているカタチをとっていたのだ。
だからそう思われることは無理もなかったのである。
「ま、逆にそんな噂が流れてかえって好都合かなぁ…」
「えっ、好都合なんですかぁ」
「うむ、そうだよ…」
会議の冒頭に敢えて、わざわざ今回の吸収合併ではリストラはしないと伝えているのに、そんな戦々恐々としているような輩は、自分でダメ出しをして私に伝えてくれているようなモノなのだからかえって分かり易くていいじゃないか…
と、私は言ったのだ。
「ああ、なるほど…」
「私はリストラではなく……」
正反対のヤル気のある者、このピンチを逆にチャンスと捉えるような気概の持ち主を探しているのだから、そんな噂に惑わされているような輩は鼻から相手にしないで済むから楽ではないか、と、彼女に伝えた。
「すっごくよくわかりましたぁ」
「だろ、だからそんなことは気にしなくていいんだよ」
彼女はこの二日間ずっと秘書代わりとして私と会議に参加しているから、このことについてはすぐに理解できたのだ。
「朝イチからすいません…」
そして私は午前9時に来社する旨を彼女に伝え、電話を切った。
私はこの電話により、昨夜の不惑な想いの切り替えができ、そして仕事へのスイッチが入った。
今日も暑く長い1日が始まりそうだ…