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シャイニーストッキング
第5章 黒いストッキングの女4 部長大原浩一
53 熱い夜 ②
8月1日金曜日午後6時
今日、ノリくんのおかげで偶然、2周忌のお墓参りができたのだ。
そしてお墓参りをしたことによって、今まで胸にモヤモヤ、ザワザワと存在していた心の仕えが取れたようであった。
また、昨日まで常に脳裏を覆っていた霧のようなモノまでもが、すっきりと取れたかのようであったのだ。
なんとなく、身も心も軽くなったみたいであった。
そしてわたしはそんな新たな想いにようやく心が切り替わったようなのである。
そんな自覚をし、この『波動』のカウンターでムスク系のお香を焚き、その香りに包まれ、ゆうじを想いながら、ある意味、今までのわたし自身とも決別をすることにしたのだ。
もう喪に服すのも終わりにしよう
この黒い服も終わりにしよう
明日からはまた昔のように季節に合わせ、流行りのファッションを纏うのだ
そうだ、髪型も色も明るく変えよう…
そう考えていた。
そして今日のお墓参りによって見失っていた明日からの新たな道標が、少しだけ見えたような気がしたのである。
だからこれからは、その道標を模索しながら新たに気持ちを切り替え、できれば明るく、前向きに生きていこうと決めたのだ。
この先また迷ってしまっても、これからは何度でも、この『波動』に来店し、ここに存在しているゆうじの想いと、ノリくんという常に明るく前向きな現実の存在に後押ししてもらえばよいのだ…
わたしはようやく心が落ち着いた。
「いらっしゃいませ」
店にお客が入ってきた、わたしはふと、そのお客を見る。
あっ…
今度は今までと違った意味で、急に胸がザワザワと騒めいてきたのだ。
大原部長さんだ、何でここへ…
「いらっしゃいませ、初めてっスよね」
「ああ、ちょっと通りかかったんでね」
「そうですか、ゆっくりしてって下さい」
そうノリくんと大原部長が会話をする。
まだ、わたしのことには気付いてはいない。
「ジントニックとこのオリジナルハンバーガーを…」
そう部長は注文をし、この店内をぐるりと見回していく。
なぜかわたしにはその見回す目が優しい目に感じられた。
「ん、沢村…ゆうじ…ああ、知っている」
なんと部長はそう呟いたのだ。
ええっ、ゆうじを知っているの…
胸のザワザワが更に昂ぶっていく。
8月1日金曜日午後6時
今日、ノリくんのおかげで偶然、2周忌のお墓参りができたのだ。
そしてお墓参りをしたことによって、今まで胸にモヤモヤ、ザワザワと存在していた心の仕えが取れたようであった。
また、昨日まで常に脳裏を覆っていた霧のようなモノまでもが、すっきりと取れたかのようであったのだ。
なんとなく、身も心も軽くなったみたいであった。
そしてわたしはそんな新たな想いにようやく心が切り替わったようなのである。
そんな自覚をし、この『波動』のカウンターでムスク系のお香を焚き、その香りに包まれ、ゆうじを想いながら、ある意味、今までのわたし自身とも決別をすることにしたのだ。
もう喪に服すのも終わりにしよう
この黒い服も終わりにしよう
明日からはまた昔のように季節に合わせ、流行りのファッションを纏うのだ
そうだ、髪型も色も明るく変えよう…
そう考えていた。
そして今日のお墓参りによって見失っていた明日からの新たな道標が、少しだけ見えたような気がしたのである。
だからこれからは、その道標を模索しながら新たに気持ちを切り替え、できれば明るく、前向きに生きていこうと決めたのだ。
この先また迷ってしまっても、これからは何度でも、この『波動』に来店し、ここに存在しているゆうじの想いと、ノリくんという常に明るく前向きな現実の存在に後押ししてもらえばよいのだ…
わたしはようやく心が落ち着いた。
「いらっしゃいませ」
店にお客が入ってきた、わたしはふと、そのお客を見る。
あっ…
今度は今までと違った意味で、急に胸がザワザワと騒めいてきたのだ。
大原部長さんだ、何でここへ…
「いらっしゃいませ、初めてっスよね」
「ああ、ちょっと通りかかったんでね」
「そうですか、ゆっくりしてって下さい」
そうノリくんと大原部長が会話をする。
まだ、わたしのことには気付いてはいない。
「ジントニックとこのオリジナルハンバーガーを…」
そう部長は注文をし、この店内をぐるりと見回していく。
なぜかわたしにはその見回す目が優しい目に感じられた。
「ん、沢村…ゆうじ…ああ、知っている」
なんと部長はそう呟いたのだ。
ええっ、ゆうじを知っているの…
胸のザワザワが更に昂ぶっていく。