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シャイニーストッキング
第5章 黒いストッキングの女4 部長大原浩一
55 熱い夜 ④
「え、お墓参り…って、あっ」
その言葉に部長は更に動揺をしていく。
「…てことは…」
「そうなんスよ、美冴さんはゆうじさんの元奥様なんスよ…」
ハンバーガーを持ってきたノリくんが、わたし達の会話の間に入ってきたのだ。
「え、元、奥様…」
「い、いや、もうノリくんったら、違います、ま、一応婚約者だったんですけど…」
わたしはすんなりと、結婚直前に彼が大震災に巻き込まれてしまったのだ、と言えたのである、それは昨日までのわたしからしたら、すごいことなのであった。
「ああ、そうだったんだ、すまない」
「いいえ、大丈夫です、それより今日は仮病でした、すいません…」
わたしにはこの流れの全てが意外であり、まだ現実の実感があまり湧いてこなかったのだ。
そして部長はしばらくわたしを見ながら、何か想いを巡らせているような、逡巡している表情をしていた。
「そうかっ…」
「え、何か」
「あ、いや、こっちの話しで…」
おそらくこの今までの会話の内容を彼なりに組み合わせ、解釈したのだろう、ハッとした表情を見せたと思うとわたしを上から下まで一瞬だが見直したのだ。
そしてわたしの黒い服の意味に気付いたようである。
わたしは素直に打ち明けたのだ。
「そうなんです…」
「…だから黒い服なんだ」
「はい、そうでした…でも…」
「でも…」
「今夜で終わりにしようかな…」
わたしそう呟き、宙を見る。
そこに、ゆうじが、居るような気がしていたのである。
もういいんじゃないか…
なんとなく、ゆうじがそう言ったように聴こえたのだ。
いつの間にかにお客が増え、カウンターはわたし達だけになっている。
するとなんとなく部長の目の色の雰囲気の感じが変わったような気がしてきた。
不思議な雰囲気の目でわたしを見つめてくるのだ。
そして部長はそんな目をして改めてわたしを上から下まで見て、その視線がわたしの脚元で止まったのである。
そうだった、部長もまた、脚フェチのストッキングフェチなのだ…
わたしはこの事は、いつも社内でわたしを見てくるその目で既に知っていたのである。
いつもいやらしいこのフェチの目付きで、黒いストッキング脚を見てきていたのだ。
そしてこのいやらしいフェチの目は、昔のゆうじの目と同じなのだ…
「え、お墓参り…って、あっ」
その言葉に部長は更に動揺をしていく。
「…てことは…」
「そうなんスよ、美冴さんはゆうじさんの元奥様なんスよ…」
ハンバーガーを持ってきたノリくんが、わたし達の会話の間に入ってきたのだ。
「え、元、奥様…」
「い、いや、もうノリくんったら、違います、ま、一応婚約者だったんですけど…」
わたしはすんなりと、結婚直前に彼が大震災に巻き込まれてしまったのだ、と言えたのである、それは昨日までのわたしからしたら、すごいことなのであった。
「ああ、そうだったんだ、すまない」
「いいえ、大丈夫です、それより今日は仮病でした、すいません…」
わたしにはこの流れの全てが意外であり、まだ現実の実感があまり湧いてこなかったのだ。
そして部長はしばらくわたしを見ながら、何か想いを巡らせているような、逡巡している表情をしていた。
「そうかっ…」
「え、何か」
「あ、いや、こっちの話しで…」
おそらくこの今までの会話の内容を彼なりに組み合わせ、解釈したのだろう、ハッとした表情を見せたと思うとわたしを上から下まで一瞬だが見直したのだ。
そしてわたしの黒い服の意味に気付いたようである。
わたしは素直に打ち明けたのだ。
「そうなんです…」
「…だから黒い服なんだ」
「はい、そうでした…でも…」
「でも…」
「今夜で終わりにしようかな…」
わたしそう呟き、宙を見る。
そこに、ゆうじが、居るような気がしていたのである。
もういいんじゃないか…
なんとなく、ゆうじがそう言ったように聴こえたのだ。
いつの間にかにお客が増え、カウンターはわたし達だけになっている。
するとなんとなく部長の目の色の雰囲気の感じが変わったような気がしてきた。
不思議な雰囲気の目でわたしを見つめてくるのだ。
そして部長はそんな目をして改めてわたしを上から下まで見て、その視線がわたしの脚元で止まったのである。
そうだった、部長もまた、脚フェチのストッキングフェチなのだ…
わたしはこの事は、いつも社内でわたしを見てくるその目で既に知っていたのである。
いつもいやらしいこのフェチの目付きで、黒いストッキング脚を見てきていたのだ。
そしてこのいやらしいフェチの目は、昔のゆうじの目と同じなのだ…