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シャイニーストッキング
第5章 黒いストッキングの女4     部長大原浩一
 57 熱い夜 ⑥

 わたしはこんな欲情の想いを込めた目で部長を見つめながら、ヒールの爪先で脛辺りを撫でていく。
 そして余りの昂ぶりに喉の渇きを覚え、飲みかけのロングカクテルを飲むとスーッと冷たいカクテルが喉元を流れていった。

 すると子宮の疼きが更にズキズキと増してきて、支配されている思考に命令をしてくるのだ。

 「抱いて欲しいの…」
 わたしはそう囁き、同時に目でもそう語りかけたのだ。
 そして思考の命ずるままに脚を部長の脚に絡め、指先までをも絡み付ける。
 ズキズキと子宮の疼きが増してきていた。

 抱いて欲しいの…
 そう何度も目で訴える。

 「出ようっ…」
 感極まった声であった。
 そして近くの
 『the b 三軒茶屋』というホテルのロビーで先に待っている…
 と、そう言って先に店を出たのだ。

 「あれっ、部長さん帰っちゃったんスかぁ…」
 忙しそうなノリくんがそう言ってきた。

 「ノリくんごめん、私も帰るね、なんか疲れちゃった…」
 「そうっスよね、朝からっスもんね」
 「うん、本当に今日はありがとう、また、明日も、ううん、これからまたマメに来るね…」
 「本当っスよ、これからまたマメに来てくださいね」
 そうノリくんにお礼を言って、わたしも店を出た。

 ホテルの場所は知っていた、そしてわたしには迷いはなかった、なぜなら今夜抱かれなければ、もし逃げてしまったら、わたしの明日はもう永遠に来なくなるような気がしたのである。
 そしてこれは間違いなくゆうじの導きなのだ、とも信じていたのだ。

 わたし達はロビーで合流しエレベーターに乗る、その瞬間、部長はわたしを抱き寄せキスをしてきたのである。
 そのキスはわたしの舌を貪るような熱く、激しい想いの込もったキスであった。
 そしてわたしには2年半振りの熱いキスでもあったのだ。
 わたしはそのキスに心を奪われてしまう。

 「はぁぁ…」
 躰から力が抜け、完全に部長に身を預けてしまった。
 わたし達はエレベーターを出て、キスしながらもつれ合うように部屋に辿り着く。
 そして立ってられずにそのままの勢いでベッドに倒れ込んだ。
 すると部長がすかさず熱い目をして、わたしの上に覆い被さろうと迫ってきたのだ。

 「待って…」
 わたしは手を伸ばし、部長を制する。

 最終テストをしなければ…




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