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シャイニーストッキング
第5章 黒いストッキングの女4     部長大原浩一
 62 熱い夜 ⑪

 まさか、こんな夜が来るとは…
 私はこの蒼井美冴の爪先をしゃぶりながら、そしてこのしゃぶる快感に昂ぶりながらそう想っていた。
 今まで喪に服していたという抑制のせいもあるのかもしれないが、こんな爪先しゃぶりの愛撫だけでイッてしまう程の敏感さは私にとって初めての体験であり、今、この目の前で喘いでいる美冴だけである。
 それにこの敏感さは過去の亡くなった元彼である沢村悠司に相当、脚フェチとして愛され、性感を開発されている証拠でもあると私には思えていた。
 そしてそれは同じ脚フェチ、ストッキングフェチの私からしてみたら、フェチ冥利に尽きる堪らない敏感さといえるのだ。
 中にはどんなに愛撫しても全く脚では感じない脚フェチ泣かせの女性も大勢いる、いや、理解さえされない事の方が多い位なのである。
 そういった意味も含めても、この美しい、艶やかなストッキングを穿きこなし、脚フェチ、ストッキングフェチの心を魅了してくる彼女の持つフェチのセンスと、そしてこの性感の敏感さは、私自身も過去から現在までに出会った事のないフェチの唯一の逸材の女性であるのだと思うのだ。

 やはり、黒い女としての独特の魅力を持つこの蒼井美冴という存在を意識していた私のフェチの感性は、間違ってはいかったのだ…

 そう想いながら喘ぐ彼女を見つめ
「まさか、こんな夜が来るとは…」
 思わずそう呟いてしまったのである。

 そしてそんな感極まりながら、彼女に唇を寄せていく。
  そんな堪らないくらいの想いを感じながら彼女を抱きしめ、今までの過去からの不惑な想いを断ち切れるくらいに感じさせなくては、と私は思いながらにキスをしていった。

「あん……」
 彼女の唇をこじ開け、舌先を吸い込み、絡めていく。

「んん…」
 このキスだけでも彼女は身悶えをする。
 そして私はキスをしながら、薄いコットン生地の黒いワンピースの前ボタンを一つずつ外していくと、彼女の手が私の背中に回ってきた。
 唇を離し彼女を見ると、濡れた愉悦の目で
私を見つめ返してきたのだ。 

 その彼女の目は
 めちゃくちゃくちゃに感じさせて…
 と、訴えてきているように私には感じたのだ。
 この目に私のスイッチがようやく完全に入った。

 実をいうと、まだ僅かに理性が残っており、微かにゆかりに対しての罪悪感があったのだ…


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