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シャイニーストッキング
第22章 ほつれるストッキング 1 佐々木ゆかり
24 松下律子の朝
『三十分待ってるんですが、大原常務が、まだ来られないんですが…』
朝、常務秘書としての業務をしていると…
ハイヤーの運転手から、連絡がきた。
え、まさか…寝坊なのか――
そう、思ったのだが…
昨日は朝から、ううん、常務就任となった月曜日から昨夜まで…
わたしの知る限りでも、彼にとって想像だにしなかったであろう程の、沢山な、色々な出来事が、次から次へと押し寄せたはずなのである。
そして…
『夜に、電話する…』
昨夜の別れ際の、彼からのアイコンタクトにも関わらず…
メールさえもなかった。
でも、多忙と、山崎のおじさまとの銀座でのお酒等々の、様々な疲労が重なり…
多分、寝落ちしてしまったのだろう…
とも、軽く考えていたのであるが――
彼と、寝坊、その二つの組み合わせが、わたしには、なんとなくイメージが結ばれず…
もしかして――
一瞬、不安が過ってしまったのだ。
だけど…
『す、すまん、寝坊してしまった』
電話をしたら、そんな、軽い言葉で済んで…
わたしは、ホッと、胸を撫で下ろす。
でも、ひと安心した瞬間に、昨日の常務室での、佐々木ゆかりとの対峙の際の…
あの、あまりにも、間抜けな狼狽え振りが浮かび…
『昨日は……色々、お疲れでしたものね…』
『…でしょうねぇ……でも、ただの寝坊で、よかったです』
と、思わず、そんな嫌みと皮肉を言ってしまった。
だけど、何事もなかったから、それでいい…
わたしは、そう思いながら、彼、大原常務の出勤を待つ間…
パソコンを開き、スケジュール調整や、その他、雑務をこなしていく。
だが、ふと、気を緩めると…
昨日の対峙に於ける、心の揺らぎと衝撃…
佐々木ゆかりの顔、姿が…
そしてもう一人…
蒼井美冴という、不意の存在感が、パソコンの画面を透かして浮かび上がってきていた。
「ふうぅ…」
わたしは、今夜の決起集会という、宴席に呼ばれた時に…
佐々木ゆかりに対して、引導を渡す…
そう決めて、参加を許した。
その決意には、揺るぎない――
だけど、なぜか、蒼井美冴という存在に…
心が必要以上に、警戒信号を発してくる。
いや、彼女の不思議な透明感が…
あの、甘いムスクの香りが…
なぜか、わたしには、怖い―――
『三十分待ってるんですが、大原常務が、まだ来られないんですが…』
朝、常務秘書としての業務をしていると…
ハイヤーの運転手から、連絡がきた。
え、まさか…寝坊なのか――
そう、思ったのだが…
昨日は朝から、ううん、常務就任となった月曜日から昨夜まで…
わたしの知る限りでも、彼にとって想像だにしなかったであろう程の、沢山な、色々な出来事が、次から次へと押し寄せたはずなのである。
そして…
『夜に、電話する…』
昨夜の別れ際の、彼からのアイコンタクトにも関わらず…
メールさえもなかった。
でも、多忙と、山崎のおじさまとの銀座でのお酒等々の、様々な疲労が重なり…
多分、寝落ちしてしまったのだろう…
とも、軽く考えていたのであるが――
彼と、寝坊、その二つの組み合わせが、わたしには、なんとなくイメージが結ばれず…
もしかして――
一瞬、不安が過ってしまったのだ。
だけど…
『す、すまん、寝坊してしまった』
電話をしたら、そんな、軽い言葉で済んで…
わたしは、ホッと、胸を撫で下ろす。
でも、ひと安心した瞬間に、昨日の常務室での、佐々木ゆかりとの対峙の際の…
あの、あまりにも、間抜けな狼狽え振りが浮かび…
『昨日は……色々、お疲れでしたものね…』
『…でしょうねぇ……でも、ただの寝坊で、よかったです』
と、思わず、そんな嫌みと皮肉を言ってしまった。
だけど、何事もなかったから、それでいい…
わたしは、そう思いながら、彼、大原常務の出勤を待つ間…
パソコンを開き、スケジュール調整や、その他、雑務をこなしていく。
だが、ふと、気を緩めると…
昨日の対峙に於ける、心の揺らぎと衝撃…
佐々木ゆかりの顔、姿が…
そしてもう一人…
蒼井美冴という、不意の存在感が、パソコンの画面を透かして浮かび上がってきていた。
「ふうぅ…」
わたしは、今夜の決起集会という、宴席に呼ばれた時に…
佐々木ゆかりに対して、引導を渡す…
そう決めて、参加を許した。
その決意には、揺るぎない――
だけど、なぜか、蒼井美冴という存在に…
心が必要以上に、警戒信号を発してくる。
いや、彼女の不思議な透明感が…
あの、甘いムスクの香りが…
なぜか、わたしには、怖い―――

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