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シャイニーストッキング
第22章 ほつれるストッキング 1        佐々木ゆかり
 30 二人の登場

「みなさぁん、大原常務がいらっしゃいましたぁ…」

「…………」

 それまでの歓談が、一気に静まり…
 上座脇の入口に、わたしを含めた、皆の視線が集中する。

「やぁ、遅れてすまんね…」
 そう言いながら、彼が入ってきた。

「…………」
 そして、空気が、一気に締まる。

「大原常務ぅ、こちらへどうぞぉ」

「あ、あぁ、うん…」

 彼は、越前屋さんの案内に、上座であるわたしの隣に座りながら…

「…あ、ごくろうさん…」
 と、小さく、囁いた。

 お互いに、逸らしてしまう――

「……はい」
 わたしは、頷く。

「……ぁ…」

 だが、その瞬間…
 わたしの心が、激しく、震え…
 そして、微かに漂い、鼻腔の奥を撫でてきた香りに、揺れてしまう。

「あ、松下さぁん、こっちへ…」
 それは、松下秘書が、彼の後ろから姿を現し、案内され、椅子に座った時…

「………」

 まずは、その瞬間…
 この宴会場の、空気が、一気に騒ついた。


 それは…
 この会場に参加している誰しもの予想を、遥かに超えた…
 松下秘書の、美しさによるものである。
 
「…………」

 昨日の昼間とは、まったく違う…

 いや、まるで別人の美しさと、煌びやかさであり…

「…………」

 その妖艶さに…
 会場内の男女を問わずの目と、心を、一瞬にして奪ったかの様であった。

「…………」

 だが、わたしの心だけは、違った――

 一瞬にして、心の中に、冷たい風が吹き荒れ…
 絶望感で、目の前を真っ暗に覆ってしまったのである。
 
「ぁ…こ、こ…れ……」

 そう、松下秘書と一緒に漂ってきた…

 この香りが……

「…………」

 それは…

 シャネルNo.18…

 銀座のお姉さんの、残り香――

「ぁ………」

 松下秘書が、ジッと、逸れずに…

「…………」

 わたしを、見つめてくる――

「ぇ……」

 あ、き、昨日は…

 シャネルNo.19だったはず――

 それは…

 あり得ないはずの…

 まるで荒唐無稽な…

 わたしの、仮説を…

「…え…………」

 逸れない、彼女の目が…

 わたしの心を、刺してくる――

 銀座のお姉さん=松下秘書――

 鼓動が…

 息が…

 止まる――




 
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