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シャイニーストッキング
第22章 ほつれるストッキング 1 佐々木ゆかり
31 シャネルの方程式
彼と松下秘書が、入って来た瞬間に…
わたしの心を激しく震わせ、そして、絶望感に陥れてきた、この甘い香り…
「…………」
それは、シャネルNo.18―
お盆休み前までの、部長だった彼に、いつも纏っていた…
銀座のお姉さんの、残り香――
それは、時には控え目であり…
時には…
いや、ある夜を境に…
挑戦的といえる程に、強い、香りを残してきた…
甘い、シャネルNo.18――
その香りが、今…
この松下秘書から、強く、漂ってきたのだ。
それはまた…
今日も、挑戦的な香りを放ち――
「ぁ…」
松下秘書が、ジッと、逸れずに…
わたしを、見つめてくる――
「……」
でも、確か、昨日の常務室では…
シャネルNo.19だった――
それはあり得ないはずの、まるで荒唐無稽な、わたしの仮説を立証させてしまう…
シャネルの証明という、方程式――
―銀座のお姉さん=松下秘書―
そして、その関係は、彼の単なる浮気ではない…
という、意味の証明でもあり…
また、それはある意味…
わたしには、想像もつかない程の…
ドス黒く、奥深い闇の中に…
得体の知れないナニかが、蠢いている…
という、答え、でもある――
わたしの息が、一瞬、止まる…
「………」
そして、逸れない、彼女の目が…
わたしの心を、まるで抉るかの様に、刺してくる――
「……………と、云うわけで、今、このプロジェクトは、この先、日本中の注目を浴びる事、必至となるでしょう…
でも、この佐々木室長の元、全員がひとつになれば必ず成功します。
さぁ、このチーム佐々木ゆかりに、乾杯しましょう」
「…………」
全員が立ち上がる。
「あ…」
わたしには、彼の言葉はほとんど入ってこなかった…
そして、目にも、何も映らない。
「あ、室長ぉ」
「……っ」
だが、この越前屋さんの声が、わたしを現実に戻してくれ…
「あ、は、はい…」
わたしは慌てて立ち上がり、グラスを掲げる…
その手が、小さく震えている。
「じゃあ、カンパーイ……」
「カンパーイ」
宴会場に、一斉に響く、歓喜の声――
だけど、今のわたしには…
心の悲鳴にしか聞こえない――
彼と松下秘書が、入って来た瞬間に…
わたしの心を激しく震わせ、そして、絶望感に陥れてきた、この甘い香り…
「…………」
それは、シャネルNo.18―
お盆休み前までの、部長だった彼に、いつも纏っていた…
銀座のお姉さんの、残り香――
それは、時には控え目であり…
時には…
いや、ある夜を境に…
挑戦的といえる程に、強い、香りを残してきた…
甘い、シャネルNo.18――
その香りが、今…
この松下秘書から、強く、漂ってきたのだ。
それはまた…
今日も、挑戦的な香りを放ち――
「ぁ…」
松下秘書が、ジッと、逸れずに…
わたしを、見つめてくる――
「……」
でも、確か、昨日の常務室では…
シャネルNo.19だった――
それはあり得ないはずの、まるで荒唐無稽な、わたしの仮説を立証させてしまう…
シャネルの証明という、方程式――
―銀座のお姉さん=松下秘書―
そして、その関係は、彼の単なる浮気ではない…
という、意味の証明でもあり…
また、それはある意味…
わたしには、想像もつかない程の…
ドス黒く、奥深い闇の中に…
得体の知れないナニかが、蠢いている…
という、答え、でもある――
わたしの息が、一瞬、止まる…
「………」
そして、逸れない、彼女の目が…
わたしの心を、まるで抉るかの様に、刺してくる――
「……………と、云うわけで、今、このプロジェクトは、この先、日本中の注目を浴びる事、必至となるでしょう…
でも、この佐々木室長の元、全員がひとつになれば必ず成功します。
さぁ、このチーム佐々木ゆかりに、乾杯しましょう」
「…………」
全員が立ち上がる。
「あ…」
わたしには、彼の言葉はほとんど入ってこなかった…
そして、目にも、何も映らない。
「あ、室長ぉ」
「……っ」
だが、この越前屋さんの声が、わたしを現実に戻してくれ…
「あ、は、はい…」
わたしは慌てて立ち上がり、グラスを掲げる…
その手が、小さく震えている。
「じゃあ、カンパーイ……」
「カンパーイ」
宴会場に、一斉に響く、歓喜の声――
だけど、今のわたしには…
心の悲鳴にしか聞こえない――

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