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シャイニーストッキング
第22章 ほつれるストッキング 1        佐々木ゆかり
 32 美冴の機転

「じゃあ、カンパーイ……」

 彼、大原常務のグラスを掲げる音頭――

「カンパーイ」

 宴会場に、一斉に響く、歓喜の声――

 だけど、今のわたしには…

 心の悲鳴にしか、聞こえない――

 すると…

「………」

 震える手でグラスを持ち、呆然と立ち尽くしているわたしに…

「お、おい…」
 隣から彼が、覗き込むように顔を向け、グラスを寄せてきた。

「あ…は、はい…」
 わたしはかろうじて、顔を向け、応え、グラスを合わせる。

「ん…だ、大丈夫か…」

 さすがの彼も、このわたしの様子に気付いたみたい…
 
「え…あ、は、はい…」

 周りには、みんながいる…

 ここで、泣き叫ぶ訳にはいかない――

 必死に心を奮い起て、彼に向く…

 だけど…

 まだ、周りの声は、遠いまま――


「……っ」

 すると…

 その彼の、斜め後ろに、逸れずにジッと、 松下秘書が…

 瞬きもせずに…

 わたしを、見つめていた――

「………」

 逸れずに、見つめ――

「………」

 まるで、溺れ、窒息寸前となり、喘いでいるかの様なわたしを…

 表情を変えずに、見つめてくる――


「………」

 その時…

「さぁ、大原常務、どうぞぉ…」

 美冴さんが、ビール瓶を手に持ち…

 わたしと、松下秘書の視線の間に立ち、彼にビールを注ぎに…

「あ、うん、あ、蒼井くん…」
 
 一瞬、言葉を飲み込む…

「さぁ、どうぞぉ…」
 
「あ…う、うん……」

 それは、美冴さんの機転――

 わたしと松下秘書との間に…

 立ち塞がってくれたのだ。

「…さぁ……」

 そして美冴さんは、ビールを注ぎながら、チラと、わたしを見る…

「………」

 わたしには美冴さんという味方がいる――

「………」

 わたしの、不惑な様子をすかさず察知してくれ、こうして機転を効かせてくれたのだ…

「………」

 だが…

 まだ、呼吸は、整えられない――


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