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シャイニーストッキング
第5章 黒いストッキングの女4     部長大原浩一
 74  惜別の想い

「はぁ、はぁ…ねぇ…」
 わたしは息を喘ぎながら、ねぇなぜなの、という目を部長に向ける。
 するとなぜかバツの悪そうな照れ隠しのような微妙な笑みを浮かべながら
「す、すまなかった…つい…」
 歯切れの悪い言葉を呟き、バスルームを出て行ってしまったのだ。

 なんだろう、あの微妙な笑みは…
 そう不思議に想いながら何とか立ち上がり、再び体を洗い流していく。
 するとシャワーの雫と共に部長の熱い情愛のたぎりの印である白く濁った精液が、アソコから流れ落ちてきたのだ。

 す、すまなかった…つい…って、どういう意味なのか…
 シャワーの雫と一緒に流れていく白い液体を眺めながら、さっきの部長の微妙な笑みを思い浮かべ考えていく。
 だが答えはわからなかった、本人に訊かないとわからないのだ、わたしはシャワールームから出てバスローブを纏い、ベッドへと目を向ける。

 あっ、ゆ、ゆうじ…
 ドキッとしてしまった、ベッドにバスローブを着て寝ていた部長の姿が一瞬、ゆうじに見えてしまったのである。

 やはりそうだ…
 わたしはこの一瞬の見間違いに確信した。
 今夜の全ての出来事は、やはり、ゆうじからの導きに違いない…と。
 ゆうじがわたしに部長を引き合わせてくれたのだ…と。
 これが、ゆうじからの惜別の別れの想いなのだ…
 
「そうなんだよね…ゆうじ…」
 そう独り言を呟き、ベッドで寝ている部長の顔を眺めていく。
 そしてベッドサイドにあった飲みかけの缶ビールを飲みながら、今日の夕方からの流れを思い浮かべていくのであった。

 全てはゆうじからの惜別の別れの想いなのだ…

 そう確信し、明日から、いや、今からは前向きに生きて行こう、生きるのだ、と心に誓い、部長の横に添い寝する。
 そしてさっきのシャワールームでの出来事も、その為の最後の気持ちの切り替えの後押しなのに違いない、と、自分勝手に解釈をしながら眠りについていく。

 今夜は色々な事が有り過ぎた、だがこれで全てリセットできたのだ、明日からが楽しみだ
 明日からはどんな自分になるのだろうか
 昔の自分に戻るのか
 新しい自分に生まれ変わるのか
 新しい自分に生まれ変われるのか
 この部長に抱かれた事がこれからのわたしにどう影響してくるのだろうか…


 そして佐々木ゆかり課長の顔が浮かんでくる…


 

 
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