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シャイニーストッキング
第23章 ほつれるストッキング2       蒼井美冴と松下律子
 2 蒼井美冴(1)

「…でしょう、松下さんもさぁ、わたしとお話ししたいわよねぇ、ねぇ、色々とね…」
 わたしは、松下秘書を誘った。

「あ、は、はい…」
 すると、一瞬、目を泳がせたのだが…
 次には、わたしを見つめながら、そう応えてきた。

 そんな彼女の目からは…
 わたしへの興味津々の光が宿って見えた。

 興味津々…
 どうやら、ちゃんと食いついてくれたみたい。

『わたしも…ね…』
『知ってるのはわたしだけ…』
 さっきの、その言葉に対する思いからであろう…
 そしてそれは、わたしが彼女に対して撒いた餌であるから。

 それに彼女は、見事にその餌に食いついてくれたようだ――

 それでよい…
 だってわたしは、彼、大原常務と、佐々木ゆかりさんの二人に対して…
『なんとかするから』
 と、明言してしまったのだから。

「彼、あ、大原常務サマは直帰で…
 佐々木ゆかりさんは、皆とカラオケ二次会でぇ…
 だから、松下さんは、わたしと二人でさぁ…」
 そう彼女に、思わせぶりに言い…

「二人でね…ちょっと付き合ってよね」

「あ…は、はい」
 わたしはこうして、松下さんを誘った。

 まずはとにかく、今夜は、松下さんと彼、大原常務を引き離す事が最優先…

 そして、ゆかりさんと彼を二人にして、ゆかりさんなりに…
 いや、彼もそうだ…
 二人で、腹を割って、納得行くまで話して欲しい。

 それには、わたしが、この松下秘書をしっかりとキープする事が、何より一番重要なのであったから――

「わたしね…松下さんと話してみたいなぁってさぁ…」
 でも、これは、本音であった。

「あ…は、はい、わ、わたしもです」

「あら、そう、ならよかったわ」

「はい…」

「じゃぁさぁ、この後、付き合ってね…」

 わたしは、彼女を連れて…
 アソコに行こうと思っていた。

 そう『波道』へ…

 アソコなら、わたしは、本当のわたしになれるから―――

「松下さんを連れて行きたいお店があるのよ…」

「あ、はい……」

 だけど…
 ひとつだけ、ずうっと、わたしの心の奥底で…
 秘かに蠢いている想いが…

 そう、蠢く翳…があった。




 
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