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シャイニーストッキング
第23章 ほつれるストッキング2       蒼井美冴と松下律子
 6 松下律子(3)

 わたしだけじゃない…
 やっぱり美冴さんもまた、何かを隠している。

 わたしは、ふと、仮面の糸が少し緩んだ気がしたーー

 それに…
『ね、今夜は、色々とお話ししましょうよぉ…
 ね、松下さん、いいでしょう?』
 そう言ってくる美冴さんの手が、膝が…
 ふと、わたしの脚に触れてくるのだ。

『あ、は、はい…』
 実は、わたしは、そんな美冴さんの自然な触れ合いにも、少し、昂ぶりを感じてしまってもいた。

 だってわたしのストッキング脚は、わたし自身でもあるから…
 そんな敏感なストッキングを触れられる、ストッキング同士が触れ合う。
 それはまるで、脚を触れられているというより、ストッキングに包まれた『わたし自身』を撫でられているみたいだったから、しかも相手は男ではなく、同じストッキングを履いた女の人…
 そんな触れ合いは、初めてだった。

 それに美冴さんのストッキング脚は、とても魅力的であり、魅惑的であるからーー
 

「今からね…」
 そして美冴さんは、わたしの脚に、膝に、スッと手を触れ、目の前まで顔を寄せながら…

「ねぇ、今からね、わたしの大切なお店に連れていってあげるわ…」
 そうそれは、まるで囁くかの様に、ジッとわたしの目を見つめながら、言ってきた。

「え、あ?」

「うん、そう、わたしの大切なお店、場所ね…」
 まるで、その目に吸い込まれそう…

「あ…さ、三軒…茶屋の……」

「あ、うん、そう…」

「………」

「あ、やっぱり、松下さんだったんだぁ…」
 美冴さんの目が、光る。

「え…」

「なんかね、彼がね、誰かを連れていったみたいなね…」

「あ…」

 彼、彼って、あのひと、大原常務のことよね?
 その美冴さんの言葉に、心が騒めいてしまう…
 いや、波打ってきた。
 
「やっぱりぃ、松下さんかぁ…」

「え、は、はい…」

「うん、彼がね、なんかさぁ、ゆかりさんを連れて行く筈ないかなぁって思ってたのよねぇ…」

「え…」
 わたしの心は、更に強く騒つき、波打ってくる…
 だって、美冴さんの『彼』っていう、大原常務に対しての呼び方や、その『ゆかりさんじゃないって……』という、佐々木ゆかりを否定するみたいな言葉に強い違和感を感じるから。

 いや、その何気ない言葉から…
 微かな翳と悪意をも、少し感じていた。


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