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シャイニーストッキング
第23章 ほつれるストッキング2       蒼井美冴と松下律子
 9 蒼井美冴(5)

 ただ、もう一つ…
 こうして松下さんとタクシーという狭い空間、密室で、お互いに本音を隠し、手探りで会話していて強く感じた想いがある。

 それはーー
 松下さんの『ストッキングラブ』という感覚、いや、感情…
 ううん、わたし的に云わせれば、正に性癖的な感覚。

 ストッキングラブーー
 それはわたし自身が、今は亡き『ゆうじ』という最愛のオトコに刷り込まれた性癖…
 ストッキングという存在に自分自身を投影、象徴してしまうフェチな性癖。

 それを、この松下さんから感じたーー

 それはストッキングフェチである彼、大原常務を愛しているであろうという事から…
 そしてこの松下さんのストッキング脚の美しさと魅惑さから。

 なぜなら、松下さんと話しをしながらわたしは、偶然にも脚に触れてしまった場面があった…
 なのに、松下さんは異常といえる位に、敏感に反応してきたのだ。

 たまたまなのかな、と思い、偶然を装い、話し続けながら軽くタッチ、触る、撫でるを繰り返すと…
 同類のわたしには分かる。
 間違いない、これは刷り込まれたストッキングラブの、オンナの敏感な反応ーー

 しかも松下さんは、ほぼわたしと同じ…
 ストッキングを自分自身の象徴とまで意識している類いであると。
 
 確かに、彼、大原常務はストッキングフェチであり、こんな質感、材質のストッキングを好むのは、勿論わたしも知っている…
 だけど、彼は、ストッキングフェチなだけで、そこまでのこだわりはない。

 それはつまり、オンナにそこまでの好みを求めてはこないのだ…
 それは、ゆかりさんが然りである。

 ゆかりさんはストッキング脚がキレイで美しいだけであり、彼女自身、材質にこだわりはない…
 つまり、これは、ストッキングラブのオンナ自身が象徴たる故に、自然と求めるのだから。 

 松下さんは、わたしと同じーー
 だから、それを探る意味でも、わたしはイタズラ的に何度となく、ストッキング脚に触れ、触り、撫で、確信をしたのだ。

 だからわたしは、秘かに昂ぶりを感じてもいた…
 そしてだからこそ、彼女の仮面を外したいとも。

 タクシーは、静かにBAR『波道』に到着したーー


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