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シャイニーストッキング
第23章 ほつれるストッキング2       蒼井美冴と松下律子
 22 蒼井美冴(12)

 わたしはカウンターの上に漂よう、タバコの紫煙を見つめながら、話しを始めていく…

「そう、あれは、もう五年前になるのかなぁ?……」

「………」
 松下さんはジッとわたしを見つめ、黙って聞き入ってくる。

「あのね…わたしね…バツイチなのね……」

「えっ、そうなんですか?」

「うん…そうなの……」

「………」

 正直わたしは、どこから話せば良いのか迷っていた…
 だけど、彼、大原常務との絡みを話さなくならないとなると、遡り、ゆうじとの出会いからを話さなくちゃならないし、ましてや、この『波道』との絡みもあるから…
 だとしたら、あの離婚の傷心から始めるしかなかった。

 でも、さすがに、あの当時高校生だった17歳の和哉との絡みは云えないから…

「うん……わたしね、不妊を理由にね、離婚させられちゃってさぁ……」

「え……」

 もうこの離婚の傷は、本当に乗り越えられているのだけど、どうやら松下さんには『不妊』という理由が、少し重いみたいで、反応が大きかった…
 だけど、ゆうじとの出会いには欠かせない理由でもあったから、わたしは、そんな彼女の反応を流して、話しを続けていくーー

「でね、駒沢の実家に一時戻って、直ぐにこの太子堂駅前の旅行代理店に就職して………」
 そして、ゆうじや、この『波道』との出会い等々の話しをしていった。

「………でね、そのゆうじがね、すごいストッキングフェチでさぁ…
 わたしは、ここでゆうじにフェチな性癖をね、刷り込まれちゃったのよね…………」

「あ…」
 やはり松下さんは、このストッキングフェチの性癖の話しには食い付いた…
 きっと彼女のこの反応は、彼、大原常務のストッキングフェチによる影響によるものに間違いないと、わたしは思っていたし、再確認の為にもワザと話しを折り込んだのだ。

 それに心なしか、触れ、絡んだままの脚がビクッと小さく震えた様に感じられた…
 でも多分、これで完全に、わたしと松下さんの間の、最後の見えない壁が崩れ、消えたと、わたしには感じられた。

 そしてそれは…
 絡み合う脚と、握り合う手からも、伝わってきた。

「………でね、ゆうじはね、当時、最高のトップアマチュアサーファーでね………」
 サーファーとしてどれだけ凄かったのか…
 そんな彼の人となりを話していくーー


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