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シャイニーストッキング
第23章 ほつれるストッキング2 蒼井美冴と松下律子
24 松下律子(12)
「……でね、それから約二年引きこもりよ…
追いかて死のうにも死ねずに、何もかもが無気力になっちゃってね………」
「えっ」
美冴さんは、まるでその頃の事を思い浮かべているかの様に宙を見つめ…
いや、もしかしたら、漂う紫煙の奥のゆうじさんの影が見えていたのかもしれない。
「あの頃は約10kg位痩せちゃったかなぁ…」
「え、あ…で、でも、婚約してたなら、無理もないかも…わ、わたしなんて……」
わたしなんて、そんな美冴さんと比べたら、そこまで落ち込みはしなかったし……
とは、言えなかった。
「ううん、ショックには違いないわよ…」
おそらく美冴さんは、そんなわたしの想いを読み取ってくれ、そう言ってくれる。
「え、あ……う、うん……」
返す言葉がないーー
「でもね、引きこもりしていてもね、生きているわけだしね…
無気力に陥ってもさぁ、お腹は空くし、喉が渇くし、眠くなるし…
イヤでも生きてる事を実感してしまうのよ…
ううん、時間が経れば経る程にね…」
「………」
「そして母親には、大変な迷惑と気苦労を懸けてしまったんだけどね…
二年経った頃にね…
『いい加減にしろ』ってさぁ、怒られちゃったのよ…」
「……」
わたしは言葉を失い、黙って見つめ、聞いていた。
「『生きているだけでお金が掛かるんだから、いい加減に働けって』ね、怒られちゃってさぁ…
そこでさぁ、ようやく社会復帰したの…
あ、ううん、まるで、生きる屍状態ではあったんだけどね…」
「い、生きる屍?」
それって?
「うん、それで人材派遣通しての、本社のコールセンターに通い始めてね…
さすがに工場勤務や肉体的負担の強いのは無理だし、まず、会話から戻そうかなってさ…」
「……」
「ね、松下さん、『黒い女』って聞いたことないかしら?」
「え、あ…」
それは、あの人が常務就任になった際に、専務である山崎のおじさまとの会話で、チラッと聞いた覚えがある…
「…え、と、いつも黒い服を着ているって…」
「あ、うん、それ、それがわたしよ…
生きる屍のわたしであり、ゆうじの死の喪に服していたつもりの『黒い女』…」
「そ、そう…」
それが美冴さんの事だったんだ…
「うん、わたし……」
美冴さんは、消えかけた煙の筋を追いながら、そう呟くーー
「……でね、それから約二年引きこもりよ…
追いかて死のうにも死ねずに、何もかもが無気力になっちゃってね………」
「えっ」
美冴さんは、まるでその頃の事を思い浮かべているかの様に宙を見つめ…
いや、もしかしたら、漂う紫煙の奥のゆうじさんの影が見えていたのかもしれない。
「あの頃は約10kg位痩せちゃったかなぁ…」
「え、あ…で、でも、婚約してたなら、無理もないかも…わ、わたしなんて……」
わたしなんて、そんな美冴さんと比べたら、そこまで落ち込みはしなかったし……
とは、言えなかった。
「ううん、ショックには違いないわよ…」
おそらく美冴さんは、そんなわたしの想いを読み取ってくれ、そう言ってくれる。
「え、あ……う、うん……」
返す言葉がないーー
「でもね、引きこもりしていてもね、生きているわけだしね…
無気力に陥ってもさぁ、お腹は空くし、喉が渇くし、眠くなるし…
イヤでも生きてる事を実感してしまうのよ…
ううん、時間が経れば経る程にね…」
「………」
「そして母親には、大変な迷惑と気苦労を懸けてしまったんだけどね…
二年経った頃にね…
『いい加減にしろ』ってさぁ、怒られちゃったのよ…」
「……」
わたしは言葉を失い、黙って見つめ、聞いていた。
「『生きているだけでお金が掛かるんだから、いい加減に働けって』ね、怒られちゃってさぁ…
そこでさぁ、ようやく社会復帰したの…
あ、ううん、まるで、生きる屍状態ではあったんだけどね…」
「い、生きる屍?」
それって?
「うん、それで人材派遣通しての、本社のコールセンターに通い始めてね…
さすがに工場勤務や肉体的負担の強いのは無理だし、まず、会話から戻そうかなってさ…」
「……」
「ね、松下さん、『黒い女』って聞いたことないかしら?」
「え、あ…」
それは、あの人が常務就任になった際に、専務である山崎のおじさまとの会話で、チラッと聞いた覚えがある…
「…え、と、いつも黒い服を着ているって…」
「あ、うん、それ、それがわたしよ…
生きる屍のわたしであり、ゆうじの死の喪に服していたつもりの『黒い女』…」
「そ、そう…」
それが美冴さんの事だったんだ…
「うん、わたし……」
美冴さんは、消えかけた煙の筋を追いながら、そう呟くーー

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