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シャイニーストッキング
第6章 黒いストッキングの女5 課長佐々木ゆかり
5 落とし処の電話
どう、落としてやろうかな…
わたしは本気で怒ってはいないのだ、だからそろそろ落とし処を探っていたのである。
ブー、ブー、ブー…
その時わたしの携帯電話が着信したのだ。
「……はい、わかりました、なるべく早く戻りますね」
電話を切ってわたしは大原部長を見る。
部長にとっていいタイミングの電話だったわ…
思わず心の中でそう思っていたのである。
「今朝、センターでオペレーターに体調不良者が2人も出てシフトが狂っちゃってて…」
午前中から慣れない代わりのメンバーによる小さなトラブルが続いているのだ、と伝えたのだ。
「急いで戻らなくちゃ」
わたしがそう言うと心なしかホッとした顔になった。
「大変そうだな」
「そうですね、お互いに色々とね…」
そうやや安堵の顔をしたから、またわたしはチクリと釘を刺したのだ。
「ま、とりあえず、この件はそういうことにしておきますね」
とりあえず今日はここを落とし処としたのである。
「もう戻らなくちゃ」
時計を覗き、呟いた。
本当に残念であった、もう少し一緒に居たかったのだが仕事なのだ仕方が無い。
「そうか…」
そう言う部長の動揺も治まり、少し、本当に心配してくれているようであったのだ。
それがわたしには嬉しかった。
「そうなんですよ、それに明日は明日で例の黒い彼女の、蒼井美冴さんの面談もしなくちゃならないので…」
部長は、そうなのか、みたいな顔をしたのだ。
「お先しますね、また、明日……かな」
だが、わたしははそう言い残し、後ろ髪を引かれる思いで先に店を出た。
そしてまた明日…
つまりは明日の午後に黒い女の蒼井美冴と面談をして多分またわたしの心が動揺するだろうから、夜に慰めて欲しい、という意味を込めたのである。
帰り際に見た部長の顔は、その意味は判った、という表情をしていたからわたしは安心していた。
大丈夫、わたしには部長が、彼がいるのだ、心の準備は整った…
そう思いながらタクシーを拾い、コールセンターへと帰社をする。
そしてタクシーに座った時点でわたしの頭は仕事モードに切り替わる。
急に2人の当日欠勤は痛いなぁ…
両者共に病欠らしいから仕方が無いことではあったのだが、それに起因してのクレーム発生には頭の痛い処ではあったのだ。
どう、落としてやろうかな…
わたしは本気で怒ってはいないのだ、だからそろそろ落とし処を探っていたのである。
ブー、ブー、ブー…
その時わたしの携帯電話が着信したのだ。
「……はい、わかりました、なるべく早く戻りますね」
電話を切ってわたしは大原部長を見る。
部長にとっていいタイミングの電話だったわ…
思わず心の中でそう思っていたのである。
「今朝、センターでオペレーターに体調不良者が2人も出てシフトが狂っちゃってて…」
午前中から慣れない代わりのメンバーによる小さなトラブルが続いているのだ、と伝えたのだ。
「急いで戻らなくちゃ」
わたしがそう言うと心なしかホッとした顔になった。
「大変そうだな」
「そうですね、お互いに色々とね…」
そうやや安堵の顔をしたから、またわたしはチクリと釘を刺したのだ。
「ま、とりあえず、この件はそういうことにしておきますね」
とりあえず今日はここを落とし処としたのである。
「もう戻らなくちゃ」
時計を覗き、呟いた。
本当に残念であった、もう少し一緒に居たかったのだが仕事なのだ仕方が無い。
「そうか…」
そう言う部長の動揺も治まり、少し、本当に心配してくれているようであったのだ。
それがわたしには嬉しかった。
「そうなんですよ、それに明日は明日で例の黒い彼女の、蒼井美冴さんの面談もしなくちゃならないので…」
部長は、そうなのか、みたいな顔をしたのだ。
「お先しますね、また、明日……かな」
だが、わたしははそう言い残し、後ろ髪を引かれる思いで先に店を出た。
そしてまた明日…
つまりは明日の午後に黒い女の蒼井美冴と面談をして多分またわたしの心が動揺するだろうから、夜に慰めて欲しい、という意味を込めたのである。
帰り際に見た部長の顔は、その意味は判った、という表情をしていたからわたしは安心していた。
大丈夫、わたしには部長が、彼がいるのだ、心の準備は整った…
そう思いながらタクシーを拾い、コールセンターへと帰社をする。
そしてタクシーに座った時点でわたしの頭は仕事モードに切り替わる。
急に2人の当日欠勤は痛いなぁ…
両者共に病欠らしいから仕方が無いことではあったのだが、それに起因してのクレーム発生には頭の痛い処ではあったのだ。