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シャイニーストッキング
第6章 黒いストッキングの女5     課長佐々木ゆかり
 12 酩酊

「うーん、なんか忙しくなりそうでワクワクしちゃうなぁ」
 これは本音であった。

「じゃあ杉山くんの営業のお祝いで乾杯しよう」
「は、はいっ」
「あ、あと、童貞に乾杯」
「えー、課長ってそんなキャラだったんすかぁ」
 わたし達は焼き鳥屋で乾杯をし、前祝い的な祝杯を交わした。
 この杉山くんのなんとなくかわいい、人懐っこい笑顔にわたしの心も和んでいくのだ、そして何故か杉山くんに、そんなキャラだったんすか、と突っ込まれる位にテンションが上がっていたのである。
 それに久しぶりの焼き鳥とレモンサワーが美味しかったのだ。
 また連日の暑さと疲れもあった、いつもより早めに酔いが回ってきていた。

「ねぇ、シロウト童貞ってことはさぁ、つまりさぁ…」
「はい、あれっす、風俗っす」
「あら、まあ、そうなんだぁ」
 下ネタが止まらなくなっていた。

「あっ、これはセクハラかな」
「いや、大丈夫っす」
「あ、それとも女上司のパワハラかぁ…」
「いや、違いますよ」

 久しぶりの楽しいお酒であった。
 でも、疲れのせいか突然に睡魔が襲ってきたのだ。

 やばい、眠い…

「ふ…………………」

 なんとわたしは、焼き鳥屋で寝落ちしてしまったのである。





「はぁ、ふうぅ…」
 誰かが暗闇の中でわたしの脚に顔を寄せている気配がした。
 なんとなく夢の中に漂っている様な感じである。

 えっ、脚の匂いを嗅いでいるの…
 脚に息がかかる。

「はぁ、はぁ、はぁ、うう」
 
 シュッ、シュッ、シュッ…

 規則的な衣擦れみたい音と、息遣いが聞こえてくる。

「はぁ、はぁ、はぁ、あっ、う、うううっ」

 衣擦れみたい音が止まり、ため息の様な吐息が聞こえた。

 カサカサ…

 えっ、なに、紙の音

 だが、また再び、意識が陥ちていった…



「……………はっ」
 目が覚めた。
 
 えっ、ここは………どこ…

 周りを見渡す。

 えっ、ツインルーム、えっ…
 わたしはホテルのツインルームのベッドで寝ていたのである。

 あっ…
 そして隣のベッドには杉山くんがイビキをかいて寝ていたのだ。

 えっ、ま、まさか、やってしまった…
 驚きと共に意識が急激に覚醒をし、そして頭痛が襲ってきた、だが、その頭痛のおかげで徐々に記憶も覚醒してくる。

 ま、まさか…
 

 
 
 
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