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シャイニーストッキング
第6章 黒いストッキングの女5     課長佐々木ゆかり
 17 疼き

「い、いや違うんす、風呂上がりの女の人見るの母ちゃん以外に初めてで…」
 わたしはその言葉に思わず笑ってしまう。

 さすがシロウト童貞である…
 本当にかわいくて、それが余計に新鮮に感じてしまうのだ。

 だからあの自慰行為なのか
 手を出せない勇気の無さがあの自慰行為につながっていくのか…
 そう思った時であった、杉山くんがわたしに対してしたであろうその自慰行為の様子を想像してしまい、その情景がふと脳裏に浮かび上がり、ズキンと子宮が疼いたのである。

 ズキン…

 あっ
 これが母性なのか、いや、性の意識なのだから母性とは云わないか…
 こんなかわいい杉山くんのシロウト童貞を卒業させてやりたい、と、一瞬だけ考えてしまったのだ。

 ダメよ、ダメ、杉山くんは部下なんだから…

「あ、か、課長、やってないっすから…」
 わたしがそんな不純な事を考えていた気配を察知したのだろう、杉山くんは慌ててそう言ってきた。

「ばか、そんな事わかってるわよ、それより杉山くんもシャワー浴びたら、わたし髪の毛乾かしたら帰るわよ」
「あっ、はい、入ります」
 そう言って慌ててシャワールームへと飛び込んでいく。

 そしてわたしはベッドサイドのゴミ箱を覗いた。
 そこには丸まったティッシュが捨ててあったのだ、そしてそれを拾い上げ、広げて見る。

 あ、やっぱり…
 そのティッシュにはベットリと精液が付いていた。

 わ、すごい量
 さすが若いんだわ…
 いつも大原部長のモノを口で受け留めているから、その量の差は一目瞭然であったのだ。

 やっぱりよかった、やられなくて…
 もしもやられていたら、やっていたら、部長に対して今の関係ならば完全に浮気である、明日から罪悪感でとても顔など見れなくなってしまう、いや、電話で話すのだって苦しいはずである。

 よかったわ、相手が杉山くんで…
 そして、浮気、という言葉がふと心に残るのだ。

 そうか、これが愛なのかな…
 そう思っていると杉山くんがシャワールームから出てきた。

「あっ、そうだ、これホテル代ね」
 わたしは財布からお金を出す。

「あ、大丈夫っす」
「ええっ、ダメよ、迷惑も掛けてるし」
「いや、大丈夫っすよ」
「ダメよ、わたしは上司だし、あっ、それと焼き鳥屋の会計も…」
「本当に大丈夫ですから」
「そんな…」



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