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シャイニーストッキング
第6章 黒いストッキングの女5     課長佐々木ゆかり
 20 朝の会話

「いや………そういう訳で今日の午前中の予定を一応確認したくてさ」
「ふぅん、そうですか」
 なるべく平静を装う為に少し間をとり、手帳を開く。

「大丈夫ですよ、私も部長の予定は今日までしか把握してませんけど、午前中の予定は無いですね…」
「そうかわかったありがとう、声が聞けて嬉しかったよ」
「え、何そんな朝からぁ」
 大原部長の突然のそんな歯が浮くような言葉に思わず心が上ずってしまい、また声のトーンが上がってしまう。

 そして
 よかった、昨夜杉山くんと間違いをおこさなくて…
 と、そう心から思ったのである。

 だが、一応、昨日のこともある
「今日はネクタイちゃんと選んでくださいね…」
 最後にしっかりと釘を刺して置いたのだ。

 昨夜はわたしも一つ間違えば、いや、もしも違う相手だったならば、どうなっていたかわからなかったのだ、だから部長だって、いや、部長だからこそ銀座のお姉様方からの誘惑も少なくはない筈なのである。
 わたしだってもう、酸いも甘いも分かる年齢だし、男達のこの会社内での世界のことも分かっているつもりではあるのだ。
 だからこそ、この釘を刺すという事は、万が一にも部長が間違いを起こさない様に、いや、例え起こしても、頭の中の片隅でいいからわたしという存在が必ずあるようにとの意味を込めているのである。

 よしっ、出勤だ…
 思わず予想外に朝から部長の声を聴けてテンションが上がった、それに昨日の杉山くんの営業報告にもやる気が更に上がっていた、だから今日からやる事が山積みなのだ。
 そして何より、わたしにとってのもう一つの山場である、黒い女、蒼井美冴との面談も夕方に控えている、しかしわたしには部長という存在があるのた、さっきの電話によりその想いは再確認できたのである。

「よしっ、今日も頑張るぞっ」
 そう気合を入れて駅に向かった。


「あ、佐々木課長、おはようございます」
 偶然のタイミングで杉山くんと会社のあるエントランスで出会ったのだ。

「あら、おはよう…」
 そしてわたしは、昨夜からの事は内緒だから、という意味の目力を込めて朝の挨拶を返した。
 さすがの鈍い杉山くんにもわたしの目力の意味が伝わったようで、彼は黙って頷いたのだ。
 そしてエレベーターに乗る。

「うちに入ってる派遣会社の営業にさ…」
 





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