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シャイニーストッキング
第6章 黒いストッキングの女5     課長佐々木ゆかり
 40 負の遺産

「佐々木課長って……六本木『J』の姫、ヒメ、ですよね…」
 サーっと血の気が引く音が聞こえた様な気がしたのだ。
 そして胸が急にザワザワと騒ついてきた。

「えっ…」
「俺ですよ、六本木『J』の黒服だったタカシですよ」

 えっ、黒服のタカシって、あ、あの…
 必死に過去を想い返し、昔の情景が脳裏を駆け巡っていく。

 六本木『J』の姫って…
 ついに過去のマイナスな負の遺産が、まるで因果応報といえるかの様に現れてしまったといえるのである。

 姫、ヒメ…

 そう、わたしが例のマリファナクイーンと陰で言われていた位に狂っていた大学時代に、よく通っていた六本木のディスコ界隈で呼ばれていたあだ名が…
 
 「姫、ヒメ…」
   であったのだ。

 そして六本木『J』とは一時期は毎晩の様に通っていたディスコであり、黒服とはいわゆるディスコスタッフの総称の事である。

「ほら、アキラさんの下にいたタカシです」
「あっ…」
 わたしは思い出した。
 そしてそれは今のわたしには、正に、負の遺産といえる最悪の過去の黒歴史といえるのであった。

 アキラか…
 確か『J』では店長クラスの黒服であり、わたしにとっては当時何人かいたマリファナのスポンサーの1人であった。
 そしてこの目の前にいるタカシはそのアキラの弟分であった。
 それが約8年経った今、負の遺産としてわたしの目の前にいるのである、しかも当時とは真逆の重要な仕事の相手として存在しているのだ。
 正に因果応報といえる事実であった。

「姫がオーストラリアに行って1年後位かな、店ごと摘発されちゃって…」
 アキラはそのまま逮捕され、その後は音信不通だそうだ。

「俺はこうしてマジメになんとかやってんですよ…」
 そのマジメと言った言葉にわたしの心は微妙に引っ掛かってしまう。

「はい、コピーしてきました…」
 笠原主任が戻ってきた。
 そこで黒歴史の過去の話しは一旦終わったのだ。
 だが胸のザワザワは昂ぶるばかりであった。

 何とか口止めしなくては…
 今さら過去を、あの負の遺産といえる黒歴史を面白おかしくバラされたくはなかったのである。
 しかし、今は大切な仕事の途中であった、わたしはすっかり動揺をし始めてきていたのだ。

「笠原主任、ちょっとトイレ…」 
 そう断り、抜け出した。





 

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