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シャイニーストッキング
第6章 黒いストッキングの女5     課長佐々木ゆかり
 42 呼び出し

 ブー、ブー、ブー…
 携帯電話が着信した。

 知らない番号だ…
 だが、わたしにはなんとなくだが、誰の電話か分かる気がしていたのである。

「はい…」
「あ、タカシです…」
 渡した名刺に電話番号が書いてあった。

「今、近くの喫茶店にいるんですけど、どうですか今から…」
「えっ、今から…」
 胸がドキドキと高まってくる。

「懐かしくて、昔話ししたいなぁって…」
「…………」

 ドキドキドキドキドキドキ…

「それとももう少し遅い時間にしますか、お酒でも飲みながら…」
 夜、お酒…危険な感じがした。

「今から…行きます」
 すると会社の近くにある、フランスの印象派の代表的画家の名前の喫茶店を指定してきたのだ。

「ちょっと出てきますね、定時迄に戻らなければ帰って構わないですから」
 そう笠原主任に声を掛ける。

「あ、はい…」
 笠原主任はなんとなくだが、少し怪訝な表情をしてきた。

「明日、休日出勤になっちゃいますけど、会議よろしくお願いしますね」
 わたしはそう言って自分のデスクからあるモノをバックに忍ばせ、指定された喫茶店へと向かったのだ。

 外はもう少しで夕方4時になろうという時刻なのだが、むせ返るような湿度と、汗がすぐに滲むような気温であった。

 今さら何を言ってくるのだろうか…
 まさか過去の話しを吹聴するという脅しでもするつもりなのだろうか。
 わたしは徒歩約5分の場所にある、その喫茶店に歩きながら、遠藤タカシの呼び出しの意図を図っていた。
 昨日と今日の彼の見た感じの印象は、確かにセクハラまがいのいやらしい視線はあるのだが、その事は別にして考えると、身なりも普通にちゃんと清潔感のあるスーツ姿であったし、髪もやや短髪なスッキリ感がある髪型であって、営業マンとしては申し分ない印象ではあったのだ。
 あの目付きにしても、根源には性的な意味もあるのだろうが、わたしを昔のあの『姫』であるとの認識によるものからであるならば、致し方ないとはいえるのである。
 それくらいわたしの過去の遺産といえる黒歴史は、現状を考えると聞くに耐えない、非道い、とても他人には話せない様な内容であるからだ。

 六本木クラブ『J』…

 当時の遊び人ならば知らない人がいない、という程の、ソッチ系では超有名なディスコであった。
 
 






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