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シャイニーストッキング
第6章 黒いストッキングの女5     課長佐々木ゆかり
 43 超VIPメンバー

 六本木クラブ『J』…
 当時の遊び人ならば知らない人がいないという程の、ソッチ系では超有名なディスコであった。
 客層も当時のセレブリティ系の遊び人系や、やはり遊び人といわれている芸能人、そして当時全盛期を誇っていたAV女優やタレント、モデル等のいわゆる遊び人といわれている人々の最高峰のディスコであったのだ。
 そんなディスコのVIPルームにわたしは入り浸り、当時数人いた中の
 『姫、お嬢、女王、クイーン』
 等々と呼ばれチヤホヤと持てはやされていた女達の1人であったのである。
 そのVIPの更に上に存在していた超VIPといわれる秘密のメンバーで、わたしはマリファナをはじめとしたドラッグ系を使用したいわゆる乱交パーティー等に参加していた過去があったのだ。
 ただそこには例えボーイとして存在している黒服とはいえ、絶対の秘密厳守の掟があった為にそのディスコの幹部クラスの中でも更に超トップの一部の数人しか知らない、知らせられていない筈であった。
 だからこの遠藤タカシレベルの黒服は当然知らない筈であり、タカシの上のアキラでさえ、この超VIPメンバーの存在も知らない筈なのではあるのだが、人の口には完全にチャックは閉められるない理もあるように、ましてや既に摘発された、と言っていたから、どこからか漏れてタカシの耳にも入っている可能性の恐れはあったのである。
 もっとも、わたしはその超VIPメンバー以前の段階で既に『マリファナクイーンの姫』と、陰で呼ばれて調子に乗っていた馬鹿者であったので、今更、何を隠そうとしても過去を知っている人達からしたら絶対に隠す事などは出来ないのであった。

 本当にわたしの過去は黒歴史といえ、消せるモノならば消し去ってしまいたい内容なのであったのだ。
 ただ、就職してからの今の今までにその過去に関係する様な人物等は現れなかったし、出来事等々にも全く関わった事もなかったので、すっかり油断をしていたのである。
 だからまさかこの時期に、関連会社にそんなわたしの過去を知る人物が現れるとは、正に寝耳に水、晴天の霹靂の出来事といえるのであった。

 わたしは指定の喫茶店に着いた。

「あ、こっちです」
 彼、遠藤タカシは笑顔を見せ、手を挙げてわたしを呼んだ。

 その笑顔にはさっきまでの会議室内での緊張感は無かった…




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