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シャイニーストッキング
第6章 黒いストッキングの女5 課長佐々木ゆかり
49 もうひとつの『姫』
なんかフラフラするなぁ、生理も近いし少し貧血気味なのかなぁ…
わたしはなぜか大抵生理の4、5日前になると貧血気味になるのである、それに今日は寝不足もある。
そして少しフラフラしながらもなんとか会社のビルのエントランスに到着した。
少し会社で休んでから帰ろうか…
そう思いながらエレベーターに歩いていく。
その時であった、不意に後ろから声がしたのである。
「あっ、姫だ…」
えっ…
再びわたしの心臓が止まった。
そして急に血の気が引いていくのを感じた、と思ったら目の前が真っ黒になったのだ。
「ぁ…………」
わたしはその声の衝撃で、貧血を起こして倒れてしまった。
「…………は…」
わたしは目が覚める、そしてゆっくりと目だけで周りを見渡した。
どうやらここは部長室のソファーに寝てるようである。
「あら、気が付きました」
笠原主任がわたしの顔を覗いてきた。
「あ、笠原さん…わたしは…」
まだ覚醒し切れていない。
「課長はエレベーター前で倒れたんですよ、多分貧血ですね」
えっ、そうなのか…
「昨夜の寝不足のせいじゃないんですか…」
今朝から顔色が悪かったし、ここのところ忙しいから…と、そう心配そうな顔をして話してきたのだ。
「なんかすいません…」
わたしはゆっくりと上体を起こす、まだ少しフラフラする。
「あ、まだ横になってたほうが…」
「あ、大丈夫です…」
まだ、大丈夫ではなかった、だが、定時が過ぎている、笠原主任に迷惑を掛けてしまうのだ。
「あっ、気づいたんですかぁ」
不意に男の声がした。
あっ、さっきの声…
そう、さっき、再びわたしを『姫』と呼んだ声である。
すると目の前に、若い、爽やかな笑顔が現れたのだ。
誰だ…
「そう、彼が偶然、課長の傍にいて…」
エレベーター前で倒れたわたしをここまで運んできてくれたのだ、と笠原主任が言ってきた。
誰だ、わたしをなぜ『姫』と呼ぶのか…
「あっ、武石健太です、来週から新プロジェクトの保険部総合職で異動予定の…」
彼は爽やかにそう名乗ってきたのだ。
武石健太…ああ、名簿にあった…
「あれっ…」
そう、どこかで見覚えのある顔なのである。
「僕ですよ…」
あっ、思い出したっ…
「オリオンなのっ…」
なんかフラフラするなぁ、生理も近いし少し貧血気味なのかなぁ…
わたしはなぜか大抵生理の4、5日前になると貧血気味になるのである、それに今日は寝不足もある。
そして少しフラフラしながらもなんとか会社のビルのエントランスに到着した。
少し会社で休んでから帰ろうか…
そう思いながらエレベーターに歩いていく。
その時であった、不意に後ろから声がしたのである。
「あっ、姫だ…」
えっ…
再びわたしの心臓が止まった。
そして急に血の気が引いていくのを感じた、と思ったら目の前が真っ黒になったのだ。
「ぁ…………」
わたしはその声の衝撃で、貧血を起こして倒れてしまった。
「…………は…」
わたしは目が覚める、そしてゆっくりと目だけで周りを見渡した。
どうやらここは部長室のソファーに寝てるようである。
「あら、気が付きました」
笠原主任がわたしの顔を覗いてきた。
「あ、笠原さん…わたしは…」
まだ覚醒し切れていない。
「課長はエレベーター前で倒れたんですよ、多分貧血ですね」
えっ、そうなのか…
「昨夜の寝不足のせいじゃないんですか…」
今朝から顔色が悪かったし、ここのところ忙しいから…と、そう心配そうな顔をして話してきたのだ。
「なんかすいません…」
わたしはゆっくりと上体を起こす、まだ少しフラフラする。
「あ、まだ横になってたほうが…」
「あ、大丈夫です…」
まだ、大丈夫ではなかった、だが、定時が過ぎている、笠原主任に迷惑を掛けてしまうのだ。
「あっ、気づいたんですかぁ」
不意に男の声がした。
あっ、さっきの声…
そう、さっき、再びわたしを『姫』と呼んだ声である。
すると目の前に、若い、爽やかな笑顔が現れたのだ。
誰だ…
「そう、彼が偶然、課長の傍にいて…」
エレベーター前で倒れたわたしをここまで運んできてくれたのだ、と笠原主任が言ってきた。
誰だ、わたしをなぜ『姫』と呼ぶのか…
「あっ、武石健太です、来週から新プロジェクトの保険部総合職で異動予定の…」
彼は爽やかにそう名乗ってきたのだ。
武石健太…ああ、名簿にあった…
「あれっ…」
そう、どこかで見覚えのある顔なのである。
「僕ですよ…」
あっ、思い出したっ…
「オリオンなのっ…」