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シャイニーストッキング
第6章 黒いストッキングの女5 課長佐々木ゆかり
50 オリオン ①
誰だ、わたしをなぜ『姫』と呼ぶのか…
「あっ、武石健太です、来週から新プロジェクトの保険部総合職で異動予定の…」
彼は爽やかにそう名乗ってきたのだ。
武石健太…ああ、名簿にあった…
「あれっ…」
そう、どこかで見覚えのある顔なのである。
「僕ですよ…」
あっ、思い出したっ…
「オリオンなのっ…」
わたしがそう言うと、彼は爽やかな笑顔で頷いた。
「はい、お久しぶりです」
「えっ、だって…」
わたしは狼狽える。
「えっ、なぁんだ、知り合いなの」
笠原主任が聞いてきた。
「はい、僕、佐々木課長の大学の直の後輩なんです」
「ええ、そうなんだ」
「はい、今日、異動の内内示されたので挨拶がてら顔出しに来たんですよ」
「あらぁ、そうなの、じゃあ、お任せして私は帰りますね」
笠原主任はそう言って帰り支度を整える。
「課長、明日大丈夫ですか」
心配そうに訊いてきた。
「はい、大丈夫です、ご迷惑掛けてすいません…」
「では、また明日」
そう言って笠原主任は退社していった。
「オリオン…」
「ゆかり先輩、いや、『姫』お久しぶりです…」
「いや、姫は…」
わたしは驚いてしまっていて言葉が続かない。
「あ、苗字が変わったんですよ、3年前位に親が離婚して、母方の苗字なんです…」
だからなのか…
だから事前に貰った異動の名簿を見ても気付かなかったのだ。
大学時代の昔は山崎健太だったから。
わたしはまだ少しフラフラするので再び横になり、健太の顔を見る。
確か6年振りか…
「ようやく、『姫』に辿り着きましたよ」
昔と変わらぬ爽やかな笑顔であった。
オリオンか…
オリオンこと山崎健太はわたしの2つ下であり、大学時代にわたしが所属していた軟派系サークルの直の後輩である。
わたしが大学3年で健太が1年でサークルに入ってきた、ちょうどその頃からわたしはマリファナ等のドラッグにハマり始めた時期でもあったのだ。
そしてその頃にはわたしはサークル内はもとより、巷の界隈では既に『姫』と呼ばれて、周りから持てはやされていたのである。
そんな女王然とし、男達を引き連れ巷の界隈で遊び回っていた中にこの健太もいたのだった。
「オリオンなんて、久しぶりに言われましたよ、ある意味懐かしいなぁ…」
オリオン…
誰だ、わたしをなぜ『姫』と呼ぶのか…
「あっ、武石健太です、来週から新プロジェクトの保険部総合職で異動予定の…」
彼は爽やかにそう名乗ってきたのだ。
武石健太…ああ、名簿にあった…
「あれっ…」
そう、どこかで見覚えのある顔なのである。
「僕ですよ…」
あっ、思い出したっ…
「オリオンなのっ…」
わたしがそう言うと、彼は爽やかな笑顔で頷いた。
「はい、お久しぶりです」
「えっ、だって…」
わたしは狼狽える。
「えっ、なぁんだ、知り合いなの」
笠原主任が聞いてきた。
「はい、僕、佐々木課長の大学の直の後輩なんです」
「ええ、そうなんだ」
「はい、今日、異動の内内示されたので挨拶がてら顔出しに来たんですよ」
「あらぁ、そうなの、じゃあ、お任せして私は帰りますね」
笠原主任はそう言って帰り支度を整える。
「課長、明日大丈夫ですか」
心配そうに訊いてきた。
「はい、大丈夫です、ご迷惑掛けてすいません…」
「では、また明日」
そう言って笠原主任は退社していった。
「オリオン…」
「ゆかり先輩、いや、『姫』お久しぶりです…」
「いや、姫は…」
わたしは驚いてしまっていて言葉が続かない。
「あ、苗字が変わったんですよ、3年前位に親が離婚して、母方の苗字なんです…」
だからなのか…
だから事前に貰った異動の名簿を見ても気付かなかったのだ。
大学時代の昔は山崎健太だったから。
わたしはまだ少しフラフラするので再び横になり、健太の顔を見る。
確か6年振りか…
「ようやく、『姫』に辿り着きましたよ」
昔と変わらぬ爽やかな笑顔であった。
オリオンか…
オリオンこと山崎健太はわたしの2つ下であり、大学時代にわたしが所属していた軟派系サークルの直の後輩である。
わたしが大学3年で健太が1年でサークルに入ってきた、ちょうどその頃からわたしはマリファナ等のドラッグにハマり始めた時期でもあったのだ。
そしてその頃にはわたしはサークル内はもとより、巷の界隈では既に『姫』と呼ばれて、周りから持てはやされていたのである。
そんな女王然とし、男達を引き連れ巷の界隈で遊び回っていた中にこの健太もいたのだった。
「オリオンなんて、久しぶりに言われましたよ、ある意味懐かしいなぁ…」
オリオン…