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シャイニーストッキング
第6章 黒いストッキングの女5     課長佐々木ゆかり
62 バブル期絶頂

 あの頃はしたい時にして、やりたい様にやっていた、いや、やれていたのである。

 本当に馬鹿であったのだ…

「僕はあの夜からゆかり先輩に付いていく、と決めたんですよ」
 確かに今、あの頃を思い返すとそうなのだ、あの4月に新学期、新入学時期の辺りから健太が常にわたしの傍にいたような気がするのである。

 あの頃は…
 当時はバブル期絶頂の時期であった。
 送迎専用の高級車に乗っているアッシーくん
 高級レストランに連れて行ってくれるメッシーくん
 色々な高級ブランドを買ってくれる貢ぐ『みつぐ』くん
 等々様々な男達が常に周りに存在していたのである。
 そしてなにより深夜テレビ番組の影響もあり、女子大生の存在自体がブランドと化したのであった。
 特にわたしのような都内のいわゆるお坊ちゃま、お嬢様系の大学は高級ブランド並みの扱いをしてもらえていたのだ。
 だからわたしの周りの女達も金持ちの男達はより取り見取りであり、お財布代わりであるともいえた。
 ビジネスクラス以上の席での海外旅行等は当たり前、中には高級車や高級マンションまで買ってもらう事など普通に当たり前と言う女達も沢山いたような時代であったのだ。

 そんな時代のそんな中で大学時代を過ごしていたのだが、わたしは幸いな事に親が比較的裕福であったお陰でお金の苦労はしたことがなく、そして一人娘という事もあってそこまでのガツガツとした欲求はなく、どちらかといったらあの様な当時の遊び方の全盛であったディスコ等に入り浸り、女王様然としてチヤホヤと持ち上げられ、セックスやドラッグ系にハマる遊びをしていたのであった。
 だが、心の奥には、親には心配や迷惑は掛けたくない、という思いが常にあり、ちゃんと大学に通い勉強もしていたのである。
 マリファナクイーン等と陰で呼ばれる程に狂ってはいたのだが、ちゃんと勉強もし、単位も一つとして落とす事はなかったのだ。

「だから僕は余計、ゆかり先輩に付いていったんですよ…」







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