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シャイニーストッキング
第6章 黒いストッキングの女5     課長佐々木ゆかり
 85 溢さない…

「うわあぁぁっ…………………」
 わたしの口の中で大爆発を起こし、全身をのけ反らせ、絶叫した。

 わたしの口の中に、大量の、そう、それはオリオンの8年越しの熱い想いの籠もった精液が溢れんばかりに噴き出したのである。

「むむ…」
 ビクビクと痙攣をしながらも、精液を止めどなく噴き出してきた。

 これがオリオンのわたしへの8年分の熱い想いなのだ…

 わたしはそう想いながら口から一滴たりとも溢さない様にと、必死に受け留める。

 溢しては彼の8年分の想いを否定してしまうのではないのか…
 そう想いながら必死に受け留めたのだ。

 なぜなら
 オリオンの8年分の想いは決して軽いモノでは無い筈だから…
 わたしは絶頂感に震えているオリオン、武石健太を見ながらそう想っていたのである。
 そして彼はその絶頂感に震えながら陥ていった。

 あらら、すごく気持ちいい顔してぇ…
 その姿を見ながらティッシュを手に取り、口の中の8年分の熱い想いの精液を戻していくと、とても2、3枚では足りない程の恐るべき量であったのだ。

 凄い量だわ…
 その量が、わたしに対する熱い想いの量なのだと勝手に思い込み、自己満足に浸ってしまうのである。
 わたしはそんな寝落ちした健太の姿を眺め、そしてシャワールームに入った。

 当初の、このオリオンを呑み込み、支配をして、過去の負の遺産である黒歴史の重しを少しでも軽くし、この先の為にも乗り越える、という狙いは一応成功したのだとは思う。
 だが、今度は少しでも早くシャワーを浴びて、きれいさっぱりに成りたいという衝動が湧いてきたのである。
 愛する大原浩一部長の為にも、一刻も早くきれいに成りたいと思ったのだ。
 とりあえず健太の指と舌の愛撫では絶頂感を迎えてしまってはいるのだが、未だ挿入れてはいない、これが、この未挿入という事がギリギリの浩一さんに対しての裏切りではないと、そう自分の中では考えているのである。

 そんな子供じみた事は単なる言い訳なのではないか、調子良すぎなんじゃないのか…
 だが、もう一人のわたしがそう囁いてきたのだ。

 例え言い訳であったとしても、わたしの心の中には浩一さんしかいないし、この方法しかなかったのよ…

 またそう詭弁を言う…

 再びわたしの心の中で葛藤が始まった。






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