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シャイニーストッキング
第6章 黒いストッキングの女5     課長佐々木ゆかり
 93 会議三昧 ②

 この営業会議は波風も立たなく約1時間で終了した。
 だがこの営業課の3人の中の一番若い杉山くんが大きな案件を取ってきたという事により、他の2人の営業課員である28歳と29歳の2人が大きな刺激を受けた事が明白に判るのである。
 営業の仕事は基本的には売り上げ重視なのだ。
 そして今回のこの新規業務案件の売り上げは大きいと予測されるのだ、となると今後の彼ら3人の中での出世競争のパワーバランスに大きな影響が出る事は必至なのである。 
 そしてわたしが見るうちではこの刺激が2人をいい方向に導いているように見えていた。
 だから杉山くんには父親のコネの件だけは絶対秘密と伝えてあるのだ。
 とりあえずこのコールセンター部の新規業務案件はいいスタートが切る事が出来たといえるのである。

 そしてこれからの大きな問題は、大原部長中心に始まる、吸収合併による新規事業計画なのであった。
 どちらも実質的に業務計画を勧め、中心になっていくのはこのわたしなのである。
 そして何が何でも成功させなくてはならないのであった、だが、その成功の見返りは、わたしのこの先にとってはとてつもなく大きい事も明白に分かっているのだ。

 これからの約1年間が勝負なのである…


 そして午前11時からの各人材派遣会社の営業担当達との会議が始まる。
 今日も当然ながら、わたしの過去の負の遺産である黒歴史の1人といえる遠藤タカシも参加していた。
 だが彼は昨日の約束通りにそういった類の雰囲気は全く匂わせる事なく、純粋に、そしてあくまでもイチ営業担当者としての顔をして会議に参加していたのだ。
 それについてはわたしはある意味ホッとひと安心をする。
 そして例のあのわたしの脚に対してのいやらしいフェチの視線もなくなっていたのだ。

 あの視線はストッキングが伝線していたからなのかなぁ…
 そんな事をふと思ってしまう。

 だが、この遠藤タカシが、いや、彼の人材派遣会社が大活躍をしてくれる事になったのである。
 なんと今回の新規業務案件の正に中心となるアウトバウンドのオペレーションの経験者を現時点で5人用意できるというのである、しかもその内の3人は皆5年以上の経験者であり、更にその内の2人は他社でのマニュアル作成も経験済みだというのだ。

 これはわたし的には助かる事である…





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