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シャイニーストッキング
第6章 黒いストッキングの女5     課長佐々木ゆかり
 97 馬鹿息子

「じゃ、また、明日かな…電話しますね」
 惜しいけれども、わたしは電話を切った。
 
 でもこれで少しだけ心が落ち着いた、心の燃料タンクが満タンになった様な感じになったのだ、後はまた明日の夕方にでも電話をして、もし少しでも時間が取れるのであれば逢って抱いてもらおう…
 と、思ったのだ。
 そして抱いてもらい、湧いてしまった罪悪感を打ち消してもらおうと思っていたのである。

 話せてよかった
 これで切り替えだっ…

「杉山くん、さあ、お台場のテレビ局に行こう」
 わたしと杉山くんは一緒に今回のこの新規業務案件の話しをまとめて持ってきてくれた、杉山くんの父親との挨拶を兼ねた会議に向かう。
 行きのタクシーの中で今回杉山くんがまとめた概要と概算の資料を確認しながら彼の父親の話しを聞く。

「えっ、報道部の局長なのっ」
「はい…」
「それって1番偉いんじゃないの」
「そうなんすか…」
「そうでしょう…」
 ちょっと知らな過ぎじゃないの…と、言う。

「はぁ、あまり父親に興味なかったもんで…」
 まあ、男の子はそんなものなのか、と考えていたのだ。

 そしてテレビ局に到着し、杉山くんの父親である報道部局長と、今回の業務内容関連の関係者、担当者等の5人と挨拶をし、初めての打ち合わせを始める。
 これは元々が杉山くんの父親である報道部局長が、どうせならという事で我が子である息子の、つまりわたし達のコールセンター部を繋げてくれたカタチなので話しは非常にスムーズに進んでいったのだ。
 そしてわたし達コールセンター部では既に約15名前後のスタッフも確保済みという事と、要望、規模等に合わせてまだまだスタッフの人数は増やせる目処がついているという事を非常に高く評価してもらい、後はある程度の予算見積もりを作り、その概算次第では来週早々に仮契約を結んでもよい、との話しまでまとまったのである。

「では、今後共よろしくお願いします」
 わたしは深々と頭を下げ、挨拶をすると

「あっ、佐々木課長、こちらこそこの馬鹿息子をよろしく頼みます」
 そう照れ草そうな顔をして言ってきたのだ。
 その顔は報道部局長ではなく、単なる父親の顔になっていた。

 親ってこうなんだな…
 わたしはそう思う。

「はい、大丈夫です、彼も頑張ってますし、お任せください」
 そう返したのだ。




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