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シャイニーストッキング
第6章 黒いストッキングの女5     課長佐々木ゆかり
 108 それぞれの日曜日③ 大原部長

 本当にヤバかった、律子のあの魅力にすっかり心から魅かれてしまって帰れなくなるところだった…
 そう想いながら遠ざかっていくタワマンを見上げると、まだいつまでも視認出来る程の高層のマンションのあの部屋から、まるで律子が未だにずっと私を見ている様な気がしてくるのである。
 そしてあの高層マンションが天空の城の様にも思えてしまっていたのだ。

 あの女神の様な魅力はヤバい、ヤバかった…

 ふと目を閉じると、さっきまでの律子の淫らなあの痴態が、喘ぎ声が、美しい女神の様な裸体の姿がはっきりと目蓋の裏に浮かんでくるのである。
 そしてあの『夢の国』での嬉しそうにはしゃぎ、笑う、歳相応のあの可愛い笑顔。
 それがさっき迄私に抱かれて淫らに喘ぐ女神の様な痴態とのギャップの差となり、また更に、私の心を魅了して止まないのである。

 尖るどころではない、すっかり律子に魅了されてしまっている…
 すると今度は、ゆかり、律子、あの蒼井美冴、までもの顔が、姿が、裸体が、痴態が、そして各々の喘ぎ声までもが浮かんでくるのであった。

 このままでは、まるで女神の様な魅力溢れる3人の女達に魅了され続けてしまい、挙げ句には呑み込れてしまうかもしれない…
 尖るどころではない、再び、昼間に散々浮かんでいた弱気な想いが湧いてくるのだ。
 そう想いながらもタクシーが自宅マンションに到着する。

 タクシーを降りて空をふと見上げると、真夏の明け方の夜空の色が、ゆっくりと夜の紫から朝焼けのオレンジ色へ移り変わってきていた。
 そして、再び暑く、熱い、そんな1日が始まる様な予感がしてくのである。

 私は部屋に戻るなり、すぐにベッドに倒れ込んでいく。
 そして仰向けになり、天井を見上げ、さっき迄の1日を想い返していくるのである。

 本当に疲れた…
 色々あって、色々あり過ぎて、そして色々な意味で、本当に疲れていた。

 とりあえず寝よう…
 まずは寝て気持ちをリセットするのだ。

 そうしよう…
 まずは寝るのだ。











  ブー、ブー、ブー……

 「…………うう…」

 8月3日日曜日午後3時30分
 携帯電話が着信していた。

 そして目覚めていく…







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