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シャイニーストッキング
第6章 黒いストッキングの女5     課長佐々木ゆかり
 109 それぞれの日曜日④ 松下律子

 8月3日日曜日午前3時40分
 
「あっ、や、だ、だ…め…あな……たぁ…」
 わたしは多分続けざまに4回目の絶頂感を迎え、そして限界も迎えたようで喘ぎ声も絶え絶えに陥ちていった。

「あぁ………ぁぁ…………」
 わたしは余りにも激しい絶頂感に弛緩してしまい、寝落ちしてしまう。

「はぁ、はぁ、はぁ、ふうぅ…」
 そして墜ちていく意識の片隅に大原部長の荒々しい息遣いが微かに聞こえていた。

「………はぁ……ぁ…………」
 墜ちていく…


 シャカ、カサカサ…

 ううん…

「………あぁ………んん…」
 わたしは着替えの衣擦れの気配を察知し、ふと目覚めたのである。

 えっ、なに、着替えてるのか…
 帰ってしまうのか、と、焦る想いで急に意識が戻ったのだ。


「おっ、起きたのか…」
 部長はBDシャツのボタンを留めながら、わたしを見てそう声を掛けてきた。

「……は、はい……あ、ごめんなさい、余りにも気持ちよかったもので…」
 そう呟く様に言い、部長の着替えている姿を確認し、思わず哀しくなってしまうのだ。

「……帰る……んですか…」
  思わず声のトーンが下がってしまう。

「うん、すまない、明日の昼前にちょっと野暮用があるんだ……」

 嘘だ、嘘に決まっている…
 本当に嘘が下手な男だ。
 嘘をつく時には絶対に目を合わせない、本当に分かり易いのである。

「……そうなんですか…」
 思わず溜息の様に呟いてしまう。
 そしてその嘘つきの目を覗いてやるのだ。

 どうせあの例の女課長を気にしているに決まっているんだ…
 本当に分かり易い。

「ま、また、今度ゆっくりするよ…」
 そう、わたしの目に思わず怯んだかの様に弱く呟いたのだ。

「ええ、是非、また近い内にいらして…」
 そう言って、わたしはスッと立ち上がり、全裸のままに彼に軽く抱き付いた。

「またすぐよ…必ずね……」
 そう囁き、唇を寄せていく。
 すると部長は吸い寄せられるかの様に唇を受け留めてくれ、そしてわたしはその唇の感触に思わず心が震えてしまうのである。
 再び心が昂ぶってきていた。

 このまま離すまい、もう一度惹き込んでやるんだ…
 わたしはそう想い、熱く舌を絡め、想いを吹き込んでいくのだ。
 
 絶対に離さない、まだ帰らせないんだ…
 





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