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シャイニーストッキング
第6章 黒いストッキングの女5     課長佐々木ゆかり
 114 それぞれの日曜日⑨ 蒼井美冴

 その頃の佐々木課長はなぜか事ある毎にわたしを目で追い、見つめてきていたのである。
 そしてわたしはその視線に気付き、その意味を考え、巡らせていくと、ある過去の出来事の想いの意味に辿り着いたのだ。 
 それは過去に禁断の関係をしていた『きーちゃん』こと、中学、高校生時代の陸上部の後輩である貴恵と、離婚直前にパートをしていた某ファミレスで一緒に働いていた高校生17歳の和哉のわたしに対して向けていた羨望であり、憧憬の眼差しの視線と同じ種類の意味であると判ったのである。

 つまり佐々木課長はわたしに対して羨望や憧憬の想いを持っているのか…
 わたしはそれが判って動揺したのだが、それと同時にあの禁断の過去の想いと欲情が蘇えってしまい、それが疼きとなり、約2年振りの自慰行為を最終的に同性である佐々木課長の顔を浮かべてして、絶頂感を得てしまったのであった。
 そしてそれが、そんな不惑の想いが完全覚醒の呼び水となってしまったのである。
 その呼び水となった佐々木課長と大原部長の2人は静かに関係をしており、その2人の関係を判ったわたしにはそれが新たな刺激となっての先の部長との逢瀬の時にも佐々木課長を想い浮かべてしまうという存在になってしまっていたのだ。
 
 あ……
 そして佐々木課長と昨夜の大原部長を想い浮かべた途端に

 ズキ、ズキ、ズキ、ズキ…

 子宮が疼き始めてきたのである。

 そしてわたしの心の中にはこの2人の事を今夜想い返してしまうと、この様な子宮の疼きに繫がっていくという事になるという事は解っていたのである、だから敢えて考えないように心の片隅に追い遣っていたのだ。
 だが、こうして仕方なく想い返してしまうとやはり子宮の疼きを導いてきたのである。 
 また更に昨夜の部長との逢瀬でわたしにはなんとなく心に浮かんだ想いがあったのだ。

 それは

 性欲の抑制が出来なくなっているのではないか…
 
 と、いうことなのである。

 それは約2年間性欲を抑制していたという事の反動であるのと、昨夜部長に抱かれた際に何度迎えたか分からない程の絶頂感のせいであるのだ、と思えるのだ。

 2年間抑制した反動での激しい複数回の絶頂感が、わたしのそんな抑えるべく自律神経を少し壊してしまったのだと思っていたのである…





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