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シャイニーストッキング
第1章  和哉
 46 二人の時間 ②

    美冴さん……

 「和哉ぁ、ねえ和哉」
 「えっ、あっ…」
 「もう、何ぼーっとしてんのぉ…」

 真実の声掛けに和哉は、はっ、と我にかえり、先ほどの快感の余韻に浸りながら声掛けしてきた隣で横になっている彼女の顔を見る。


 付き合い始めて約四カ月、愛し合うようになって3回目の今夜、ようやくストッキングフェチであることをカミングアウトでき、パンストを直穿きしてもらい、久しぶりにたっぷりとストッキング脚を愛でて、股間のマチ部分を引き裂いて挿入し、絶頂を迎えることができた。
 久しぶりにストッキングフェチ心が満足する快感を得た今、過去に自分自身の男という性の部分を確立してくれ、幼い時の体験から生まれたこのストッキングフェチという性癖のコンプレックスと、それにより抱き続けていたトラウマを解放してくれた5年前の高校2年の夏に出会った美冴さんという存在のことを思い出してきていたのだ。

   美冴さん……

 「もぉー、ちょっとぉ、またぼーっとしてぇ」
 「えっ、ご、ごめん」
 「あーっ、昔の彼女のことでも思い出してんでしょう、そんな遠い目をしちゃってぇ、もぉーっ…」
 「えっ、あっ、違うよ…」
 真実はズバリ的中してくる。

 「そんな動揺しちゃってぇ、バレバレよぉ」 
 「あっ、いや…」
 「私がストッキング穿いてあげたから、どうせ昔も穿いてくれた彼女のことでも思い出しちゃったんでしょう」
 ふくれっ面をし始める真実のあまりの見事な読みに、更にドキッとしてしまう。

 「………………」
 「やだぁ、ズバリなんだぁ、もぉー分かりやすいんだからぁ…」
 そうふくれっ面をしながら和哉に抱きつき
 「これからは私がしてあげるからぁ、そんな彼女のこと忘れさせちゃうんだからぁ」
 そう言いながら和哉に唇を合わせてくる。

 あぁ、美冴さん…
 しかし真実の唇と舌を感じながらも、脳裏からは美冴の顔が消えないでいた。
 
 あの頃、あの時、まだまだ二人の時間は続いていたのに…

 あの夏体験した鮮烈な思いや、あの時の出来事は5年後の今でも鮮明に記憶している、いや、忘れることなんて出来やしない。
 
 今こうしているのもあの頃からの流れの、あの時から始まった二人の時間の延長のはずなのだから…

 真実を抱き締めながらも心は上の空になっていた。


 
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