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シャイニーストッキング
第7章 絡まるストッキング 1
 18 昔の話し

「中学時代は都の代表選抜選手だったんすよ」
「えーすごいんだ」
 だが身長が170しかなかったのと、膝の怪我のせいでバスケ強豪校には進学しなかったそうなのであるが、学生時代はバスケに夢中だったのだ、と話してくれたのだ。

「ふぅん、なんか意外…」
 確か大学は一橋大学だったかな、勉強も頑張ってたんだ…
 そう思っていたのである。

「課長は学生時代はどんな感じなんすか」
「それは秘密よ…」
 秘密どころではない、絶対に秘密なのだ。

「やっぱ、モテまくりっすよねぇ」
「うんもちろんよ…」
 それは否定しなかった。

「うわぁヤベぇ、やっぱなぁ…」
 本当に杉山くんは面白い、一緒にいても飽きないのである。
 だが、なんとなく一橋大学の匂いはしないのだ。
 そこがまた不思議で面白かった。

「そろそろ時間すね…」
 杉山くんのおかげで二時間の待ち時間が、あっという間に過ぎた感じであったのだ。

「今度は杉山くんが中心に話してみなよ」
 そう、既に杉山くんのお父上に当たりは通してもらっているし、どのみち杉山くん中心にプロジェクトは進めていくのだ、そしてここのテレビ局が3件目なのだから流れは分かっている筈なのである。

「はい、わかりました」
 すると顔付きが急に硬くなってきたのだ。

 わたしにもこんな時代もあったわねぇ…
 彼のそんな緊張気味な顔を見てそう思うのであった。

 そして何とか無事に打ち合せと確認等を兼ねた東京タワーのテレビ局との会議を終えたのだ。
 時刻は午後6時になるところであった。
 わたしの中の予定より1時間遅くなっていた。

「課長、飯食って帰りましょうよ」
 本当なら仕事のメドが付いたので一刻も早く部長に電話したかったのであるが、まだ、明日からの確認等をしたい内容があったし、この前の焼き鳥屋での迷惑の借りもあったのだ。

「そうねぇ、この前迷惑掛けた借りもあるし…」
 わたしは、いいわ…と頷いた。

「やったぁ、じゃあ飯行きましょう」
 そう嬉しそうにする。

「この前のお詫びもあるから…」
 わたしがおごるわ…と、東京タワーすぐ元にある、ステーキハウスに連れていく。

「ま、マジっすかぁ」
「うん、マジっす」
 わたしも口調を真似みた。

「この前のお詫びと、今回のお祝いね」
 そう言ってステーキハウスを訪れる。





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