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シャイニーストッキング
第7章 絡まるストッキング 1
17 東京タワー
午後からは二つ目の東京タワーのテレビ局へと向かうことになっていた。
わたしはそんな午前中に三回程、大原部長に電話をするという思いに覆われていたのであるが、なんとなく杉山くんの横で話しをするのが嫌であり、必死な思いでその欲望を自制していたのである。
それは、ちょっと油断すると甘えた声を出してしまうような気がしていたのだ。
さすがにそれは、いくら鈍い杉山くん相手とはいえ、そんな様子は見せたくはなかった。
仕事が終わった夕方にでも電話をしよう…
と、そう決めたのである。
ところがであった、東京タワーのテレビ局での担当者が急用で約二時間程待って欲しいということになってしまったのだ。
大切なクライアントになるのだし、どっちみち今日はこの後の予定はない、仕方なく待つ事にしたのである。
「そうだ、課長、東京タワーに昇りませんか」
「えっ、東京タワーかぁ」
そういえば小等部三年生の遠足以来に昇った事がなかった。
「そうねぇ、小三以来ないわ…」
「でしょう、僕も小三の遠足以来ないんすよ、時間もあるんで昇りましょうよ」
という事になり、わたし達はその待ち時間に東京タワーに昇ることにしたのである。
「なんか課長とデートみたいっすねぇ」
そうにこやかに言ってきた。
「まさか、デートの経験は…」
あるのよね…と聞いてみたのだ。
「あ、ありますよ、こう見えても中学三年の時に彼女いましたからっ」
「えっ、ち、中学三年生って…」
後にも先にもその時の半年しか彼女がいた事がなかったのだ、と、話してきた。
「マジかぁ」
思わず呟いてしまう。
「マジっす」
それ以来全くモテた事がないのだ、というのである。
「そんな感じには見えないけどねぇ…」
そうなのだ、杉山くんは爽やか系であり、全くモテないのは意外に感じたのだ。
「ずっと部活一直線で…」
バスケットをしていたそうなのである。
「あら、わたしも高等部までバスケット部よ、まあ弱小部活だったけどね」
「ええっ、マジっすかぁ」
うん、と頷いた。
「やはり課長とは運命の赤い……」
「ない、ない、ない、無いから」
「そんな、連呼しなくたってぇ…」
この杉山くんの軽さは嫌いではなかった。
杉山くんはミニバスケットから始まり、一応大学まで続けていたそうである…
午後からは二つ目の東京タワーのテレビ局へと向かうことになっていた。
わたしはそんな午前中に三回程、大原部長に電話をするという思いに覆われていたのであるが、なんとなく杉山くんの横で話しをするのが嫌であり、必死な思いでその欲望を自制していたのである。
それは、ちょっと油断すると甘えた声を出してしまうような気がしていたのだ。
さすがにそれは、いくら鈍い杉山くん相手とはいえ、そんな様子は見せたくはなかった。
仕事が終わった夕方にでも電話をしよう…
と、そう決めたのである。
ところがであった、東京タワーのテレビ局での担当者が急用で約二時間程待って欲しいということになってしまったのだ。
大切なクライアントになるのだし、どっちみち今日はこの後の予定はない、仕方なく待つ事にしたのである。
「そうだ、課長、東京タワーに昇りませんか」
「えっ、東京タワーかぁ」
そういえば小等部三年生の遠足以来に昇った事がなかった。
「そうねぇ、小三以来ないわ…」
「でしょう、僕も小三の遠足以来ないんすよ、時間もあるんで昇りましょうよ」
という事になり、わたし達はその待ち時間に東京タワーに昇ることにしたのである。
「なんか課長とデートみたいっすねぇ」
そうにこやかに言ってきた。
「まさか、デートの経験は…」
あるのよね…と聞いてみたのだ。
「あ、ありますよ、こう見えても中学三年の時に彼女いましたからっ」
「えっ、ち、中学三年生って…」
後にも先にもその時の半年しか彼女がいた事がなかったのだ、と、話してきた。
「マジかぁ」
思わず呟いてしまう。
「マジっす」
それ以来全くモテた事がないのだ、というのである。
「そんな感じには見えないけどねぇ…」
そうなのだ、杉山くんは爽やか系であり、全くモテないのは意外に感じたのだ。
「ずっと部活一直線で…」
バスケットをしていたそうなのである。
「あら、わたしも高等部までバスケット部よ、まあ弱小部活だったけどね」
「ええっ、マジっすかぁ」
うん、と頷いた。
「やはり課長とは運命の赤い……」
「ない、ない、ない、無いから」
「そんな、連呼しなくたってぇ…」
この杉山くんの軽さは嫌いではなかった。
杉山くんはミニバスケットから始まり、一応大学まで続けていたそうである…