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シャイニーストッキング
第7章 絡まるストッキング 1
 25 美冴の優しさ

「やっぱりあんな時はヤルしかないんだよ、それは男も女も同じなんだよ…」
 私も若い頃は疼いて寝れない夜が何度あったもんか…
 私はそう明るく話したのである。

「でも、その度に、こうする訳には…」

「ま、そうだよなぁ…」
 少しトーンが下がったが
「だけど…」
 だけど美冴くんがこうして切り替えたのはまだつい一昨日じゃないか、だから…

「だから…心が追いついてないんじゃないのかな、だからこうして、そうだよ、リハビリだ、リハビリが必要なんじゃないのか…」
 私は心の思うままにそう話す。

「そうかもですね…」

「できるだけリハビリ付き合ってあげるから…あっ」
 私はそう言ったのだが、咄嗟に改めて自分の言った意味を考えて焦ってしまうのである。
 予想外に美冴の明るい感じに、つい、少し調子に乗ってしまったのだ。

「言いましたねぇ、じゃあ、甘えちゃおうかなぁ」
「う、うん、ま、そうだな…」
 少し困惑気味に返事を返す。

「ありがとうございます、大丈夫ですよ、部長の時間が合う時で…」
「あ、ま、すまんな…」
 この時、私の脳裏には、ゆかりの顔が浮かんでいたのだ。
 そして再び罪悪感が湧いてきた。

 ダメだなぁ、本当に尖れてないし、ワイルドにも全然なれていない、相手に上手く合わせて、優柔不断じゃないか…
 と、自虐の想いに陥ってしまう。

 美冴はそんな私の様子に見かねたのか、助け船を出してくれるのである。
 
「だから大丈夫ですよ、彼女の元に行ってあげて…」
 この美冴の言葉に本当に救われたのだ、その言葉には全く嫌味や悪意の類いは感じられなく
 ゆかりとの間を壊すつもりはない…
 と、いう意思表示の意味にも感じとれたのであったのだ。
 私はそんな美冴の優しさに感動すら、感じてしまったのである。
 
 そして私は
 このいい女の美冴を大切にし、この先を導いてあげなくてはいけない…
 そう思ったのだ。

 そしてしばらくは、あんな感じに美冴が苦しんだならばリハビリに付き合ってあげなくてはならない、そう、しばらくは…

 美冴を見て思うのである。






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