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シャイニーストッキング
第7章 絡まるストッキング 1
39 『黒くない女』
「問題はないんですが…」
笠原主任はわたしにもう一度そう言いながら視線をゆっくりとオペレーションルームへと動かしていく。
そしてわたしもその彼女の視線の動きにつられて見たのである。
「あっ、ええっ…」
ええっ、な、なに…
わたしは驚いてしまう。
問題アリだ、いや、大問題じゃないか…
そうなのだ、わたしにとって大問題が起きていた、いや、起こっているなのだろうか、そしてそれは笠原主任も同じ思いであるようなのだ。
あの『黒い女』である蒼井美冴が…
『黒くない女』になっていた。
いつも彼女は夏服であるピンクの制服のベストの下に、全く合わない取り合わせの黒いブラウスを着て、そして季節、気温に関係なくいつも黒いストッキングを穿いていた。
それ所以に『黒い女』と陰で呼ばれていた彼女、蒼井美冴が、制服のベストの肩から白いブラウスが見えており、脚元を見ると黒ではなく、ナチュラルカラーの光沢のストッキングを穿いている姿が、今、わたしの目に映っているのである。
黒ではなく、白いブラウス…
黒ではなく、ナチュラルカラーのストッキング…
「今朝の通勤してきた時の姿は…」
薄いレモンイエローのブラウスに薄いライムグリーンのプリーツスカートを履いてきていたんですよ…
と、笠原主任がやや興奮気味にそう囁いてきたのだ。
「そ、そうなんですか…」
わたしは感嘆しながらそう呟く。
そして思わず、ジッと彼女、『黒くない女』になった、蒼井美冴、を見つめてしまっていた。
あ、ヘアスタイルも変わった…
あ、なんかすごく若く見える…
あ、あっ、ああっ、わ、笑った…
オペレーターさん達は就業中は皆ヘッドセットマイクを付けてフリーハンドにしてお客様と会話をしているのであるが、そのスタイルで話しを交わしながら髪を掻き上げパソコンにデータを打ち込みながら、彼女は、蒼井美冴はなんと、笑みを浮かべているのだ。
わたしが今日まで思い返す限りは、彼女、『黒い女』蒼井美冴の笑顔は見た記憶がないのである。
雰囲気まで変わった
まるで別人、違う女になったみたいだ…
驚いていた。
そうだ、これは、変身だ…
そう、彼女は、蒼井美冴は、変身したのだ。
「問題はないんですが…」
笠原主任はわたしにもう一度そう言いながら視線をゆっくりとオペレーションルームへと動かしていく。
そしてわたしもその彼女の視線の動きにつられて見たのである。
「あっ、ええっ…」
ええっ、な、なに…
わたしは驚いてしまう。
問題アリだ、いや、大問題じゃないか…
そうなのだ、わたしにとって大問題が起きていた、いや、起こっているなのだろうか、そしてそれは笠原主任も同じ思いであるようなのだ。
あの『黒い女』である蒼井美冴が…
『黒くない女』になっていた。
いつも彼女は夏服であるピンクの制服のベストの下に、全く合わない取り合わせの黒いブラウスを着て、そして季節、気温に関係なくいつも黒いストッキングを穿いていた。
それ所以に『黒い女』と陰で呼ばれていた彼女、蒼井美冴が、制服のベストの肩から白いブラウスが見えており、脚元を見ると黒ではなく、ナチュラルカラーの光沢のストッキングを穿いている姿が、今、わたしの目に映っているのである。
黒ではなく、白いブラウス…
黒ではなく、ナチュラルカラーのストッキング…
「今朝の通勤してきた時の姿は…」
薄いレモンイエローのブラウスに薄いライムグリーンのプリーツスカートを履いてきていたんですよ…
と、笠原主任がやや興奮気味にそう囁いてきたのだ。
「そ、そうなんですか…」
わたしは感嘆しながらそう呟く。
そして思わず、ジッと彼女、『黒くない女』になった、蒼井美冴、を見つめてしまっていた。
あ、ヘアスタイルも変わった…
あ、なんかすごく若く見える…
あ、あっ、ああっ、わ、笑った…
オペレーターさん達は就業中は皆ヘッドセットマイクを付けてフリーハンドにしてお客様と会話をしているのであるが、そのスタイルで話しを交わしながら髪を掻き上げパソコンにデータを打ち込みながら、彼女は、蒼井美冴はなんと、笑みを浮かべているのだ。
わたしが今日まで思い返す限りは、彼女、『黒い女』蒼井美冴の笑顔は見た記憶がないのである。
雰囲気まで変わった
まるで別人、違う女になったみたいだ…
驚いていた。
そうだ、これは、変身だ…
そう、彼女は、蒼井美冴は、変身したのだ。