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シャイニーストッキング
第2章 黒いストッキングの女1
 5 佐々木ゆかり ①

 今、ベッドを共にしている彼女は頭脳明晰、明朗爽快そしてややきつめな美人で、完璧といえるいわゆるキャリアウーマンである。

 身長は約160㎝以上あり高校時代までバスケットをしていたそうで手足もすっきりと長く細身だが筋肉質でスタイルもよい、本人は脚の長さに不満を持っているらしいが見た目に決してわからない。
 幼稚園から某有名私大付属に通い、大学卒業後の二年間をオーストラリアに留学し、英語、ドイツ語、中国語の3カ国語のバイリンガルという正に理想的な経歴である。
 入社後その語学力を買われて外資系の営業職に配置され十分な実績を上げたらしいのだが、その後なぜか私の部署に異動してきたのだ、多分、一時的にキャリアを積む為の腰掛け的な異動なのだろうと私は思っている。そんな絵に書いたようなキャリアウーマンが今の私の彼女であり、こうしてベッドを共にしているのだ。
 そもそものきっかけは彼女からのアプローチからである。こんな中年に差し掛かったバツイチ男の何が気に入ったのかわからないが、当然のように彼女を受け入れ現在に至っている。
 そしてなにより彼女の脚は美しく魅惑的であり、その均質のとれたストッキング脚の太腿からふくらはぎへのラインの放つ光沢の艶の美しさは私のフェチ心を刺激し、魅了して止まないのである。

 それなのに私は黒いストッキングの女の存在を気にし始め、彼女に問われることになってしまっていた。


 「部長、何かスタッフに気になることでもあるんですか…」
 ゆかりはベッドの中で意地悪げな目をしながら私に聞いてくる。
 「えっ、いや、何もないよ…」
 やはりバレバレか…
 私は嘘が下手であった。

 「そうですかぁ、なんか部長にしては珍しく最近よくオペレータールームを気にしてるような…」
 彼女はプライベートシーンでも殆ど私を部長と呼んでいる、それは会社内で油断して私の下の名前を呼んでしまわないように注意をしているのだと言っていた。

 私の下の名前を呼ぶ時は特別な時にだけにしたいのだそうだ…

 「最近トラブルも何もないですし…」
 更に意味有りげな目をしてくる。

 「ゆかりくんの気のせいじゃないの…」
 さすがに本当のことは言えない、私は必死に誤魔化す為にスッと彼女の肩を引き寄せる。

 彼女の目が見透かしたように笑みを浮かべていた…
 
 
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