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シャイニーストッキング
第2章 黒いストッキングの女1
 10 彼の匂い

 「はぁ、はぁはぁ、はぁ…」
 絶頂感を迎え、息を荒げて横を向いていると、彼も隣に仰向けになる。
 そしてわたしの首の下に手を差し入れて肩を抱いてきた、そう、この時点では彼はまだイッてはいないのだ。
 まだ股間の怒張は艶々とわたしの蜜で濡れて光り、猛り勃って小刻みに脈打っている。
 
 わたしは迎えた絶頂感の余韻で虚脱しているカラダをゆっくりと起こし、その彼自身を手にとり口に含んで愛おしみ始めていく。

 「うっ、う…」
 唇、舌、指を使って彼自身を絶頂に導く為に、ゆっくりと味わうかのように愛していく。

 ジュル、ジュル、ジュルル…
 
 「あぁ、ふうぅぅ…」

 彼自身の怒張が快感で小さく震えてくる。
 彼自身もさっきまでわたしの中で絶頂に導こうと懸命に動いてくれ、限界を迎えているからゆっくりでよいのだ、ゆっくりと唇で愛してあげても射精感は早く訪れる。

 「あっ、もうっ、で、出るよっ」
 唇で愛しながらうなずくと彼はわたしの口の中で限界を超えて爆発するかのような射精をした。

 「っ、くうっぅぅぅ…」

 わたしは最後は必ず口で愛してこうして口内で受けとめる、これがわたし自身の絶頂感の余韻から続いていく終わりの快感へと穏やかに通じていくのだ。
 確かに彼にわたし自身の中で絶頂を迎えてもらうことは、彼自身の震えにより絶頂感も伝わってきてよいのだが、なかなか二人同時に絶頂を迎えるのも難しい時が多々ある。
 せっかく愛し合うのだからお互い二人が気持ちよく絶頂感を迎える為にもこの終わらせ方がよいのではないかと、わたしは考えたのだ。
 そしてこの終わらせ方が、わたしにとって彼を愛しているという実感を得られることでもあり、彼に対しての愛情の表現でもあると思っている。

 この時間を二人で大切に過ごしたいのだ…

 カシャッ、シュボッ
 「ふうぅぅ…」
 
 再び彼がジッポーライターで煙草に火を点け煙を吐いた。
 その途端に周りにひろがる煙草の煙の匂い。
 ライターの燃料である燃えるベンジンの匂い。

 煙草の吐息の匂い…

 汗の匂い…

 彼特有の甘い体臭の匂い…

 それら全てがわたしの大好きな彼の匂いなのである…

 そして快感の穏やかな余韻に浸り、そんなこの大好きな彼の匂いに包まれながらわたしは彼の胸に抱かれ、眠りに落ちていく…


 

 
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