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シャイニーストッキング
第8章 絡まるストッキング2 蒼井美冴
 23 不思議な魅力

 ドキドキ、ザワザワとしていた…
 これは復活してからの大原本部長にも感じた事のない、新たな感覚、感情であったのだ。

「…わたしの今に至る迄のこと…って」
「うん…」
 彼のキラキラの目に吸い込まれそうになっていた。

「く、黒い女……のこと…まで…」
「うん、訊きたいです…」

 ドキドキ、ザワザワが増してきている、だが、これは例の抑えの効かない自律神経等の暴走の感覚とはまた違っていた。
 だからまだ不安はない。

「ほら、夜はまだまだ長いですよ…」

 武石健太…
 不思議な魅力を感じていた。

 彼のそのキラキラとした輝く目を見ると、吸い込まれそうであり、そして昨日までの全ての出来事、想い等を激白したくなるような感覚や、衝動が湧いてくるのである。

 過去のきーちゃんこと貴恵、禁断の関係を持った和哉、そして最近は変わったが以前にわたしを見ていた佐々木ゆかり課長時代の三人は、憧憬の目、といえた。
 あの最愛の男、ゆうじは紺碧の海のような、碧色の目、であった。
 そして現在、昨夜一瞬、愛を感じてしまった大原本部長からは、実直な優しい慈しみの目、を感じている。

 この武石健太の目はなんだろうか…

「まだまだ夜は長いですよ、色々話してくださいよ…」
 この彼の目からは、吸い込まれそうな心地よさを感じていた。
 何でも話したくなるような光りをわたしに向けてくるのである。

「わたしは小学生から女子大の付属なの…」
 無意識だった、その目に囁くように話し始めていたのだ。

 ええ、なんで…
 自分でも驚いていた。
 だが、心の奥から、ゆうじの死の前後のことを話したい、激白したい…
 そんな想いが湧いてきていたのだ。

 話したら、少し心が軽くなるかも…
 何の根拠も、確証もないのだが、なぜか心がそうわたしに囁いてくるのである。

「だから、ずうっと女子校だったの…」
「そうなんですかぁ、意外ですねぇ」
「こう見えてもマジメで…」
 ずうっと女子校だったので男に免疫がなくてぇ…
 こんな話しまでしてしまうのだ、健太くんの話術はまるで刑事ドラマの取り調べみたく、思わず話してしまうのである。
 でもさすがに女子高時代のきーちゃんとの淡いレズ的な事は話さなかった。

 ヤバい、ついつい話してしまう、どうしよう…
 心が葛藤をする。





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