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シャイニーストッキング
第2章 黒いストッキングの女1
 12 朝の着替え

 「えー、そんなこと言うなんて珍しい…」
 微笑みながら応えるのだが、なんとなく目が語りかけてくるような感じがする。

 昨夜のこと誤魔化そうとしてるの…と

 「い、いや、私も少しやりかけの仕事が…」
 やはり私は嘘が下手である。

 「今日はスタッフも少ないですよ…」
 「え、な、なにが、違うよ…」
 ドキッとした、やはりバレバレだ…

 そんなゆかりの目からは怒った感じは伝わってこない、それが唯一の救いといえる。

 でも何かを勘づき怪しんではいるのだ…

 「えー、じゃあ何ごちそうになろうかしらぁ、イタリアンがいいかなぁ…」
 「うん、何でもいいぞ、好きなのごちそうしてやるよ…」
 私は冷や汗をかいてしまっていた。

 彼女は少し嬉しそうな顔になりドライヤーをかけ始める。
 
 私は二本目の煙草に火を点け、冷蔵庫のミネラルウォーターを飲むと焦った喉に冷たい水が心地よく感じた。

 そしてドライヤーで髪を乾かした彼女はクローゼットから服を取り出し、私に背を向けて着替えを始めていく。
 バスタオルを外し、濃紺の対の下着を付けてシルクっぽいブラウスを着る、そしてドレッサーの椅子に右脚を乗せ、爪先からストッキングをスルスルと太腿へ持ち上げながら穿いていき、次は反対の左脚を穿いていく、最後に両手で腰のゴムを持ち上げセンターのマチ部を調整する。
 私はこんな彼女の着替える姿、そしてストッキングを穿いていく姿を見るのがたまらなく好きであった、その姿はストッキングフェチの私には心を踊らせてしまう動きなのだ。
 こんな彼女の着替える姿を覗き見るのも、二人で迎える朝のもう一つの愉しみといえるのである。

 なにより心踊ることは彼女のストッキング脚の美しさであった、素脚も美しいのであるが、この艶やかなアーモンドブラウン色の薄いナイロン繊維を纏った瞬間から更に彼女の脚が妖しい淫靡な艶の光沢を放ち、私の目を、心を魅了して止まないのだ。
 そんな美しい魅力的な艶やかな光沢のブラウン色のストッキングを穿き、ボディコンシャスなデザインの膝上ミニのスーツを着た姿は、私だけではなく、世の中のフェチな男達の羨望を集めるビーナスの誕生といえた。
 
 そのくらい彼女は美しい、美しいと思っている
 
 それなのになぜか黒いストッキングの女のことが気になってしまうのだ…
 
 
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