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シャイニーストッキング
第2章 黒いストッキングの女1
14 黒い女 ①
「じゃあ、わたしは先に出社しますね」
着替えた後に化粧をし、最後に口紅を塗りながらそう言った。
よしっ、バッチリだ…
ドレッサーの鏡に映る自分の顔をチェックする。
「ああ、少し遅れてから私も行くから」
「本当にくるんですか…」
わたしは笑顔でそう言い、駄目押しの釘を刺す。
「え、あ、ラ、ランチ行くんだろう…」
もろに動揺の顔になる、本当にかわいいと心から思う。
「じゃあ、ランチ楽しみにしますね」
そう言ってホテルの部屋を出る。
タクシーチケットもあるしタクシーに乗ろう…
ホテルの外に待機しているタクシーに乗り込み、晴天の空を見上げて朝の外気を吸い込む、午前9時の空気はまるで春を通り越して初夏を思わせるような暖かさであった。
今日は黒い女はいないはず…
後部座席で走り過ぎる風景をぼんやりと眺めながら彼女のことを思い返していく。
いつも黒い服を着て、いつも黒いストッキングを穿いて、いつもほぼ全身黒ずくめのファッションの彼女は4月からの新規の派遣スタッフの中にいた。
周りの女性スタッフ達はどちらかといえば色とりどりな派手な明るい服装ばかりなのでそんな彼女の黒ベースの服装はかえって目立ち、自然とわたしも気がついた。
でも最初は気にも留めなかった、わたしの仕事であるスタッフの運営等は春を迎えると半数近くが新規入れ替えとなり手一杯になるし、約50名近くいるスタッフの中の一人の私服なんてどうでもよかったのだ。
しかし新規派遣スタッフの教育等の研修を始めてからすぐに、黒いストッキングを毎日穿いている彼女が気になるようになってきていた。
なぜならその着ている制服の色合いと黒いストッキングの組み合わせが全く似合わずにわたしに違和感を感じさせてくるからだった、だが職種は接客等ではなく電話オペレーター業務である、だから現実的には制服姿は似合おうが似合わまいが全く関係ないのである。
ただ、周りの皆はナチュラル系等のいわゆる一般的なストッキングを穿いており、それがパステルカラーの制服姿にマッチしているのだが彼女は毎日黒いストッキングを穿いていた、それが気になればなるほどに彼女のその黒いストッキングに不思議な違和感を感じるようになっていた。
そしていつからか彼女を黒い女と、心で呼ぶようになっていたのだ…
「じゃあ、わたしは先に出社しますね」
着替えた後に化粧をし、最後に口紅を塗りながらそう言った。
よしっ、バッチリだ…
ドレッサーの鏡に映る自分の顔をチェックする。
「ああ、少し遅れてから私も行くから」
「本当にくるんですか…」
わたしは笑顔でそう言い、駄目押しの釘を刺す。
「え、あ、ラ、ランチ行くんだろう…」
もろに動揺の顔になる、本当にかわいいと心から思う。
「じゃあ、ランチ楽しみにしますね」
そう言ってホテルの部屋を出る。
タクシーチケットもあるしタクシーに乗ろう…
ホテルの外に待機しているタクシーに乗り込み、晴天の空を見上げて朝の外気を吸い込む、午前9時の空気はまるで春を通り越して初夏を思わせるような暖かさであった。
今日は黒い女はいないはず…
後部座席で走り過ぎる風景をぼんやりと眺めながら彼女のことを思い返していく。
いつも黒い服を着て、いつも黒いストッキングを穿いて、いつもほぼ全身黒ずくめのファッションの彼女は4月からの新規の派遣スタッフの中にいた。
周りの女性スタッフ達はどちらかといえば色とりどりな派手な明るい服装ばかりなのでそんな彼女の黒ベースの服装はかえって目立ち、自然とわたしも気がついた。
でも最初は気にも留めなかった、わたしの仕事であるスタッフの運営等は春を迎えると半数近くが新規入れ替えとなり手一杯になるし、約50名近くいるスタッフの中の一人の私服なんてどうでもよかったのだ。
しかし新規派遣スタッフの教育等の研修を始めてからすぐに、黒いストッキングを毎日穿いている彼女が気になるようになってきていた。
なぜならその着ている制服の色合いと黒いストッキングの組み合わせが全く似合わずにわたしに違和感を感じさせてくるからだった、だが職種は接客等ではなく電話オペレーター業務である、だから現実的には制服姿は似合おうが似合わまいが全く関係ないのである。
ただ、周りの皆はナチュラル系等のいわゆる一般的なストッキングを穿いており、それがパステルカラーの制服姿にマッチしているのだが彼女は毎日黒いストッキングを穿いていた、それが気になればなるほどに彼女のその黒いストッキングに不思議な違和感を感じるようになっていた。
そしていつからか彼女を黒い女と、心で呼ぶようになっていたのだ…